平成30年度 埼玉県高校サッカー新人大会2回戦 川口市立 vs 蕨

新人大会・南部支部予選2回戦。川口市立高校はFW植木龍也の4ゴールなどもあって蕨高校を5ー1で下し、3回戦進出を決めた。26日の3回戦で川口市立は浦和西高校と対戦する。

前半に出た課題をしっかりと修正した川口市立が後半に一挙5ゴールを挙げて初戦突破した。

立ち上がりに仕掛けたのは蕨。前半2分、コーナーキックのこぼれ球を1年生10番のFW藤田大輝がエリア外からシュート、さらに混戦をDF青木亮磨が果敢にヘディングで詰めにいく。中盤以降は川口市立がボールを握る時間が増えたが、「前半はなかなかセカンドを取れなかった」(植木)と連続したアタックに繋げることができず、試合はスコアレスのまま折り返した。

それでも川口市立は後半このポイントを修正。セカンドを回収しつつ前への圧力を強めていくと後半2分、DF中野一輝のロングスローをゴール前で植木が競り勝って、ついに均衡を破る。

セカンドボールの回収に加えて、前半は開き気味だった選手間の距離も縮まり連動した攻撃が増えた川口市立は後半7分、FW国井力丸とのパス交換で左サイドを崩した植木が鋭い切り返しで相手ディフェンスを剥がして、右足で絶妙なコントロールシュートを突き刺して加点した。

これで勢いに乗ると、後半13分には右サイドの角度のないところからMF中山隼人が左足で目の覚めるようなキャノン砲を突き刺してチーム3点目。28分には中山の強烈なミドルをキーパーが弾いたところを植木が詰めてハットトリック達成。さらに植木は32分に右サイドからドリブルでエリアを抉ると、最後はキーパーの股を抜く技ありシュートでこの日4得点目とした。

蕨は後半アディショナルタイムに途中出場のFW西村匠未のクロスから青木がヘディングで決めて一矢報いたが反撃はここまで。5ー1で勝利した川口市立が次のラウンドに駒を進めた。

新10番・植木が4ゴール!「先輩たちの記録を大きく抜けるように」今年の目標は県8

今季公式戦初戦で川口市立は新10番でキャプテンのFW植木龍也が4ゴールと躍動した。

この日はヘディングに、詰めにさまざまなパターンで得点を量産したが、特に満足度が高かったのが自身2点目。国井とのワンツーからエリアに侵入した場面は普段の練習の成果が生きた。「いつも練習で4対3(攻撃4:守備3)というのをやっていて、ワンツーやダイレクトプレーを多くして崩していく練習をやっていたというところで、しっかりと崩せて良かったです」。

そのまま鋭い身のこなしでマーカーを剥がすと、「自分の中でしっかりイメージはできていた」という右足のシュートはややインにかかりながら逆サイドのゴールネットに突き刺さった。

合併後最初の世代となった昨年は前主将の森藤真生や副主将の杉本俊太らが中心となって「一期生として絶対に越えられないような結果を残したい」と挑んでインターハイで県16強の成績を残したが、「自分たちは先輩たちの記録を大きく抜けるように、8を目標にして頑張りたいと思います」と植木。キャプテンとして、10番としてチームを牽引し、“先輩越え”を誓った。

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豪快キャノン砲で1ゴール!「剛」「柔」キック使い分ける中山「浦和西も脅かしたい」

後半13分の強烈なミドルシュートは、まさにキャノン砲とも言えるような重い一撃だった。

右サイド深くでボールを持つと「前半同じようなシーンがあって、その時にちょっと行けるかなと。次来たらやってやろうと思って振り抜いたら良いコースに入ったので良かったです」。左足を振り抜くと、キーパーの反応も許さぬ弾丸のようなボールが逆サイドに突き刺さった。

さらに後半28分には今度はキーパー強襲の豪快なシュートから植木のゴールをお膳立て。またノーゴールの判定となったものの、後半2分のコーナーキックの場面ではファーサイドのDF吉澤輝将にピンポイントで通すなど、セットプレーのキッカーとしてもチャンスメイクした。

「キックは自信がある。正確に蹴ることと、強いシュートは自分の持ち味だと思います」。「剛」「柔」使い分けるキックは、中学時代に近所の公園にある小さなゴールのバーの上にペットボトルを置いてスピードボールやコントロールショットで射抜く練習を重ねた賜物だ。

次戦はトーナメントの山場となる浦和西戦だ。「セットプレーはまずミスがないように、尚且つみんなが競りやすい、決めやすいボールを上げるようにして、ゴールが見えて打てると思ったらどんどん打っていって浦和西も脅かしたい」と中山。得意のキックで強豪撃破を狙う。

石黒登(取材・文)

試合結果

川口市立 5-1 蕨