[S1]武蔵越生“粘りの完封”で2位・西武台Ⅱ撃破。苦しんだシーズンも上位相手に価値ある1勝で自力残留決定!
上位チーム撃破で武蔵越生が来季もS1残留決定。高円宮杯JFA U-18サッカーリーグ2025埼玉1部リーグ(S1リーグ)は11月29日、第17節を行い、西武台Ⅱと武蔵越生の一戦は、1-0で武蔵越生が勝利した。武蔵越生は1試合を残して8位以内が確定。県1部残留を決めた。

武蔵越生は前節を終えて、降格圏の9位・細田学園と勝ち点6差の8位。今節、引き分け以上で細田学園の結果に限らず、残留を確定できる状況で、勝ち点3をゲットし自力で残留を決めた。
首位・成徳深谷を2ポイント差で追う西武台Ⅱは、MF中川晴斗(3年)が多くボールに関わりながら左右への展開や運び出し。左SB浅井風俄(3年)が果敢に攻撃参加してチャンスを作る。
15分には中川が左サイドに展開。浅井のクロスをFW星野喬介(3年)が中で収めて決定的な場面を作ったが、ここは武蔵越生の守護神・小林汰雅(3年)が身体を張って防ぐ。32分にも西武台Ⅱは星野が競り、中川が抜け出してチャンスを迎えたが、ここも小林が横っ飛びで防いだ。
武蔵越生は長身FW森一馬(3年)をポイントにしながら攻撃を展開したかったが、前半はうまく形を作ることができず、シュートは森の1本のみだった。その中でも後半5分、前線でパスカットしたFW野口遥(3年)が決定機を迎えたが、シュートはブロックに遭う。西武台Ⅱは10分、浅井が左から切り込んでシュートを狙うが、三度小林が至近距離からのシュートを防いだ。
苦しい時間の続いた武蔵越生だったが、小林やDF横溝龍太(2年)、DF白岩武琉(3年)のCBコンビを中心に無失点で凌ぐ。すると16分、ゴール前でGKとディフェンスラインの連携ミスを見逃さなかったMF中嶋修斗(3年)主将が奪い、左足で無人のゴールに流し込んだ。
西武台は28分、右クロスにFW木村太俊(3年)が走り込んで合わせたが、武蔵越生は左SBの廣澤歩(3年)が身体に当てて小林がキャッチ。また、中嶋が献身性を見せて逆サイドの裏のスペースに守備に走るなど、チームとして全員が身体を張って守る。終盤も西武台Ⅱにゴールに迫られたが、ゴールを隠しながら無失点で抑えきり、1-0で勝利して自力での残留を決めた。
記録上のシュートは相手の7本に対し、3本。井上精二監督は「こういう展開も予想していた。もう少し前が収めたり、自分でシュートに行ってほしい気持ちはありますけど、何よりしっかり0で抑えてくれたっていうところはうちらしいというか、押されながらでもワンチャンスを取って、最後抑えたっていうところは評価に値するのかなと思います」と無失点の守備を評価した。
期待値の高かった今年は新人戦でベスト4入りし、リーグ戦も5節まで負けなしと、一時首位にも立ったが、中嶋やエース核として期待された森も1年を通してフルコンディションで出られる試合は限られるなど、けが人に苦しませられた。また、ATに失点するなど、「ちょっとしたところの差」で後期はなかなか勝ち点を奪えずに後退。この試合の前には4連敗も喫していた。
その中でも「今年は3年生がほとんど残ってくれた。今日細田が引き分け以下なら負けても残留っていうのはありましたけど、勝って自分たちで自力で残留を決めようっていうところで入ったので、そういう部分ではよく粘ってくれたんじゃないかなと思います」(監督)。中嶋主将は「新人戦以来良い結果を残せていなかったので、良い形で後輩たちに贈り物を届けられたらという想いだった。残留決定できて良かった」と苦しんだシーズンでの勝利での残留に笑顔を見せた。
石黒登(取材・文)
試合結果
西武台Ⅱ 0-1 武蔵越生
0(前半)0
0(後半)1


