[選手権]岩槻が今季初勝利で2回戦へ!延長戦で草加南を下す。舘林主将「想いを胸に勝ちを届けたい」

第104回全国高校サッカー選手権大会・埼玉県一次予選会は7日に開幕。Jブロックの岩槻と草加南の一戦は、延長戦の末に岩槻が1-0で競り勝った。14日の2回戦では春日部と激突する。

立ち上がり草加南は狙いとしていたセットプレーをゴール前に蹴り込んでそこからチャンス。前半7分にはDF岡本玲皇(2年)のFKのこぼれ球を10番FW国分玲(3年)が頭で狙う。

岩槻もMF石塚蒼天(3年)の配球やDF佐々木慶斗(3年)のフィードから攻撃。24分には佐々木の対角のボールから10番MF久保田尚弥(3年)がカットインシュートで狙っていった。

後半も互いにチャンスを作り、岩槻は9分に久保田がワントラップボレー。草加南は12分、相手セットプレーからの速攻でゴールに迫るが、岩槻DF舘林侑翔(3年)主将が戻って阻止した。

草加南は20分、27分にMF横溝涼太(2年)がそれぞれ決定機を迎えたが、岩槻もディフェンスラインが集中を切らさずにカバー&ブロック。岩槻も相手の間延びしたスペースを使って攻め、41分にはFW上村海大(3年)がGKと入れ替わったが、シュートはサイドネットだった。

試合はそのまま延長戦に突入。それでもここで魅せたのが途中出場の岩槻MF神谷名旺杜(2年)だ。「点を取ってこい」と指示を受けて後半終盤に投入されると延長前半8分、左SBの高山琉斗(2年)のクロスに右足を一閃。シュートはポストに当たりながらネットに吸い込まれた。

これが決勝ゴールとなり、岩槻が1-0で勝利。草加南は国分、MF黒木瑛太主将、DF武下直人と、もともと3年生が3人という代で最後まで粘ったが、勝利にはあと一歩届かなかった。

岩槻は今季公式戦初勝利。舘林主将は「いろいろ辛いことがあった中で非常に嬉しい」と言って笑顔を見せた。受験による選手の離脱やリーグ戦でも今季はまだ勝利がなかった中でチームも難しい時期を過ごしたが、「合宿とかでみんなで乗り越えていけたのが、この勝利に繋がったと思います」。この日はチームを離れた仲間たちも応援に駆けつけた中で初勝利をともに喜んだ。

「これまで切磋琢磨して頑張ってきた中で、いろいろなことがあって、辛い想いをした人たちもいっぱいいる。お世話になった方々もものすごく多くいるので、その想いを胸に最後まで走りきって、絶対に勝ちを届けたい」。さまざまな想いを背負い、次も全部を出し切って勝利を届ける。

石黒登(取材・文)

試合結果

岩槻 1-0 草加南
0(前半)0
0(後半)0
0(延前)0
1(延後)0