[新人戦]武南が大会3連覇に王手!昨年は西武台との両校優勝、司令塔の田中「今年は武南が単独優勝する」

15日、令和6年度埼玉県高校サッカー新人大会の準決勝が行われ、もう1試合は武南と武蔵越生と激突。MF渡辺悠(1年)らのゴールで武南が2-0で勝利し、大会3連覇に王手をかけた。

武南は準々決勝で負傷離脱した10番MF有川達琉(2年)が大事を取ってこの日は不出場。代わって出場したFW角啓汰、前回2ゴールのFW塚田恵斗(ともに1年)が2トップを組んだ。

武南は内野慎一郎監督も「バランス感覚は抜群」というMF田中理月(2年)、MF小山一絆(1年)が中盤でゲームをコントロール。スルーパスから7分には角が、24分にはMF渡辺悠(1年)が抜け出しを狙うが、武蔵越生は守護神の小林汰雅(2年)が判断良く前に出て防いだ。

武蔵越生は後ろでしっかり耐えながら、前線では推進力のある10番のFW眞崎瀧星(2年)が存在感を発揮。29分には単騎で抜け出したが、ここは武南の1年生GK金昶銖が好守を見せた。

前半は互いに好機を作り出した中、武蔵越生は後半9分、好捕を続けていた小林が負傷交代のアクシデント。苦しい展開となったが、18分にはFW新井奏太(1年)が中盤でボールをカットしてスルーパス。これに抜け出した眞崎、さらにこぼれに新井が詰めたが、両方ともに金が防ぐ。

スコアが動いたのは25分だ。武南は右サイドで起点を作ると、右SBの大久保航大(1年)のクロスからファーサイドに走り込んだ渡辺が落ち着いて右足で流し込んで試合の均衡を破った。

34分には「自分の役割は結果を残すこと」と話していた途中出場のMF八百川尚輝(1年)がエリア内で倒され、ペナルティキックを獲得。これを自らキーパーの逆を突いて、右上隅に思い切り蹴り込んで、1回戦の大宮南戦、準々決勝の聖望学園戦に続き、この日も得点に絡んだ。

守備では後半はCB倉本健二(2年)を中心にボールにアタックしながらチャレンジ&カバーを徹底。有川に代わり、準々決勝の途中から「初めて」と話す、腕章を巻いた倉本は「有川が決勝に出られるように、勝つことを目標にやっていた」という中でしっかりとファイナルに繋げた。

この日は2トップを採用し、相手SBの攻め上がりを抑止。田中、小山の両ボランチがそこをうまく使いながらSB、SHが連動した。「その中で打開策が生まれて、背後も何回か取れたり、その辺から一発で良いところが見えたりするところもあったのでショートパスだけじゃないよっていうところは表現できたのかな」(監督)。一方で取れるところで取れないと、と課題も与えた。

決勝は2年連続の西武台とのカードに。昨年は2-2のまま延長戦でも決着がつかず、大会規定により両校優勝という形となった。前回もSBとしてスタメン出場した田中は「今年は武南が単独優勝して、次の関東大会とかにも繋げていきたいなって思っています」と意気込みを語った。

石黒登(取材・文)

試合結果

武南 2-0 武蔵越生
0(前半)0
2(後半)0