[新人戦]叡明が初戦突破、ボランチ市之瀬のハットトリックに指揮官「出来すぎです(笑)」
令和6年度埼玉県高校サッカー新人大会が18日に4支部で一斉に開幕。東部支部でも7会場で1回戦が行われ、叡明がMF市之瀬響樹(2年)のハットトリックで3-0で草加東を下した。
「初戦でちょっとやっぱり、ラインの上げ下げがちょっと低くて、真ん中が空いちゃって、そこに草加東の選手に入られて差し込まれてしまった。後半修正はしたんですけど、ショートパスが繋げなくて、うちのサッカーができなかったなという印象がありました」(叡明・村谷勇太監督)
叡明は前半から敵陣で進める時間が多かったが、草加東がしっかりと対策してきたことやこの日は狭いエリアにこだわりすぎてしまうところもあり、なかなか攻めきることができずにいた。
その中でもボランチの市之瀬響樹(2年)が持ち前のゴールへの意識を発揮しハットトリック。指揮官も「今日のあいつは出来すぎです(笑)」と話すボランチがこの日のヒーローとなった。
叡明は前半30分、DF橋本綜介(1年)の縦パスから市之瀬が抜け出し、先制ゴール。また、「前半は攻めていた割に打てていなかったを思ったので、そこで打ち切るとか、決めきるとか、そういうところが足りなかったと思います」というMFが後半も貪欲にゴールを狙っていく。
後半33分にはゴール前の混戦を泥臭くゲット。「自分的に一番」と語る貪欲さも出たゴールだった。さらにその2分後には途中出場で中盤にリズムを与えていたMF上田陽己(1年)がドリブルで持ち出し、間隙を縫うスルーパス。これに抜け出した10番MF浅野悠大(2年)主将がグラウンダーのクロスを送ると、走り込んだ市之瀬が合わせハットトリックで試合を締めた。
ボランチだが、最後ゴール前まで入っていく意識の高い選手。「そこが本当に僕の強みだと思う。ボランチから自分が駆け上がっていって点を決めるとか、対人の強さとか、セットプレーとかでもそうですけど、そこの持ち味が今日は出せたのかなと思います」と3ゴールに笑顔を見せた。
しっかりと判断しながら、ショートパスを繋ぎ、ゴールを目指していくのがスタイル。この日もその姿勢は随所に見られた。叡明は2020年に下部組織のBRILLAR FCを発足。今年は浅野やDF宮本廉大、MF大野朔太郎、GK小幡琉斗ら、1期生が最高学年になる期待の代で昨年1月に亡くなった吉川雅之前監督も楽しみにしていた代だという。浅野は「下部でもショートパスを繋ぐ、簡単に蹴らないっていうところを常に言われてきた。苦しい中でも繋いでいくっていうのを意識しながらやってきたので、だんだんとそれが形となってできるようになってきた」と話す。
2回戦は同支部の強豪・花咲徳栄が相手だ。浅野は「もちろん簡単に行く試合ではないと思うので、粘り強く叡明らしいサッカーができればいいかなと思います」とし、市之瀬は「徳栄戦も別に負ける気はない。今日よりも良いプレーで勝っていきたいと思います」と意気込みを語った。
石黒登(取材・文)
試合結果
草加東 0-3 叡明
0(前半)1
0(後半)2