初戦8発発進の正智深谷、新人戦は「いろいろ試しながら経験させて」 4G2AのMF伊藤力仁、1年生MF吉田匠吾がアピールに成功

令和4年度高校サッカー新人大会は21日に北部支部の2回戦を行い、新チーム公式戦初戦となった正智深谷は滑川総合を8-0で下した。正智深谷は28日の準々決勝で進修館と激突する。

正智深谷は前半18分にFW廣井宙(2年)のゴールで先制。41分にはMF稲毛田善吹生(1年)の縦パスに抜け出したFW大元由翔(2年)が対角に突き刺して追加点を奪ったが、立ち上がりは縦パスが多くなるなど、引いて守る相手に対し、なかなか崩しきることができずにいた。

それでも後半に入り、MF伊藤力仁(2年)、MF吉田匠吾(1年)らフレッシュな選手を入れると一気にペースアップ。4分に伊藤のクロスに吉田が頭でネットを揺らすと、5分にはFW菅野智稀(2年)の落としを稲毛田が突き刺す。33、37、41分には伊藤が立て続けに得点。最後は42分、伊藤が左サイドを抉り、マイナスのボールを吉田が流し込んでゴールショーを締めた。

正智深谷・小島時和監督は「立ち上がり引かれて、バタつくかと思ったんですけど、比較的みんな落ち着いてやろうとしていた。最初としてはこんなものじゃないですかね」と振り返った。

今大会は守護神の望月奎杜(2年)が不出場。また、選手権予選に名を連ねた数人も外れている。指揮官は「新人戦はいろいろ試しつつ、春先に向けてチームを固めてこうかなと思っているので、1.5ぐらいの伸びそうなやつをどんどん使っていく感じ。今年はこの辺の子がいますごく多いので、いろいろ試しながら経験させて、最終的に全体的な底上げできればなと思っている」と話す。

「例年も選手権頃になると、トップチームは安定していくんだけど、サブ組が全然伸びなかったりとか、結構これはいろいろな指導者と話をすると「難しいよね」と。やっぱり上を高めようとすると、どうしても底上げの仕方がすごく難しい。練習試合をやってもA戦同士でやって、サブはサブ同士。そうするとやっぱり鍛えられないから、いかにその上で経験させることが大事。そういう意味では登録30名を目一杯使って、経験させて、最終的に選手権であったり大事なところにグッと固めていけるよう、全体のモチベーションを上げていくというところですよね」

この試合では今大会10番を背負う伊藤が、持ち味の突破力を見せつつ、結果という意味でも4ゴール、2アシストと大暴れ。また、指揮官にとって新鮮な驚きになったのが吉田。「走り負けない」運動量が持ち味という1年生は本職のボランチではなくこの日は4-4-2のトップ脇で出場した中で積極的にプレスをかけてチームに前向きのエネルギーをプラスし、2ゴールも記録した。コーチからの進言もあり、起用した小島監督も「良い味出してましたね」と評価した。

石黒登(取材・文)

試合結果

正智深谷 8-0 滑川総合
2(前半)0
6(後半)0