今年のテーマは「チームで」 川口青陵は冬の8強進出を目指し、チーム力に磨きをかける

令和4年度高校サッカー新人大会は15日に北部支部以外の2回戦を行い、南部支部では川口青陵が1-0で大宮工業を下した。川口青陵は28日に行われるラウンド16で南稜と激突する。

川口青陵は前半からMF黒田康耀(2年)、DF上原皓晴(2年)の右サイドから攻め立て、中央では10番のMF外舘獅穏(2年)や松浦國拡監督も「スペシャル」と話す1年生MFの野村真柊がボールを握ってメイク。セットプレーからCB大迫玲凰(1年)が2度ゴールに迫った。

一方、大宮工業は内山達稀(1年)、渡邊勇吹(2年)、津島陸人(2年)、佐野煌時(1年)の4バックが強度の高い守備。GK髙橋煌我(2年)もファインセーブで最後の砦となっていた。

後半も攻め込む中で、スコアが動いたのは20分。川口青陵は前線からはめ込み、相手GKへのバックパスを誘発すると、その6分前にピッチに立ったMF田中秀甫(2年)がカットし、そのまま決めた。この形は川口青陵としてひとつオーガナイズしていた形。「チームの守備の形であそこは狙いどころだった」(田中)。これまで同じような場面でGKを切りにいけなかったというが、課題に向き合いそれを表現したMFに松浦監督も「狙い通りの形。評価できる」と話した。

これが決勝点となり、川口青陵が1-0で勝利したが、一方でシュート本数でも13対1と圧倒した中では「もっと決めなければいけなかった」というのが本音だろう。キャプテンの外舘は「フィニッシュのところと、あと1人目の動きの後の2人目の動きがぬるくて、そこで打ち切れなかったり、ロストしてしまって、相手に簡単に蹴り出されてしまうシーンが多かった」と反省した。

昨年は「大学生とやっても負けないくらい」と指揮官も話していた強度の高い3年生たちを中心に、選手権予選では3年ぶりのベスト30に進出した。今年は強度では劣るという中で「チームみんなで」ということをキーワードに掲げ、中盤3枚のローテーションやポジションチェンジ、連携、ゲーゲンプレスなど、松浦監督もより細かく、細かく、オーガナイズを入れているという。

その成果もあり、まだ決定力という部分には課題を残すものの、「あとは決めるだけという状況に行ける場面はすごく多くなってきている」(監督)。また、この試合では後半、相手がフォーメーションを変えてきた中、相手の立ち位置を見てピッチ内でジャッジし、しっかり対応したのはプラス材料だ。最終目標とする選手権予選での8強進出を目指し、今年はチーム力を磨き上げる。

石黒登(取材・文)

試合結果

川口青陵 1-0 大宮工業
0(前半)0
1(後半)0