平成29年度 埼玉県高校サッカー新人大会 準々決勝 正智深谷 vs 浦和東

平成29年度 埼玉県高校サッカー新人大会準々決勝。西武台高校第2グラウンド第2試合は選手権予選4強の浦和東高校がスコアレスで折り返すと、後半開始4分で2点を奪って2ー0とし昨季新人戦準優勝の正智深谷高校を下した。浦和東は準決勝で成徳深谷高校と激突する。

「ミドルサードからしっかりとブロックを作って後半勝負」(平尾信之監督)。プラン通りの戦いを完遂した過去7度の優勝を誇る浦和東が昨年のファイナリストをベスト8で完封した。

前半からボールを握った正智深谷に対し、浦和東はブロックを作って対応。ハイボールに関してもヘディングの強いDF上原龍を中心にしっかりと跳ね返し相手に決定的な場面は許さない。MFオナイウ情磁らスピードのある相手のサイドアタッカーには複数枚でついて仕事をさせず。プラン通りのスコアレスで試合を折り返すとギアを上げた後半に一気に勝負を決めた。

先制点は後半1分。上原のロングフィードに「自分は足が速いのでとにかく前に速く、ひたすら前に相手の裏を取ることを考えていました」という右サイドバックの菅瑞生が一気に抜け出してキーパーとの1対1を冷静に右足で流し込んだ。「自分はシュートがうまいキャラじゃないので」とゴール後は驚いた表情も見せたが、「すごい気持ちよかったです」と菅。

さらにその3分後には追加点。FW前田祥玲が左サイドを深くえぐってグラウンダーのクロスを入れると、ニアに飛び込んだFW小川翼がワンタッチでゴールに決めて2ー0とした。

その後も浦和東は「今回はヘディングを特に頑張った」という小川が得意の空中戦で優位に立ちつつ、MF横田遙人やMF石塚陸斗のドリブルなどでサイドから攻める回数を増やしていく。

正智深谷は後半25分にセットプレーのこぼれ球をMF小此木脩汰がボレーシュート、38分には怪我で後半からの出場となったキャプテンのFW佐藤亘輝、MF波多野晟愛と繋いでMF小林来維が狙っていくが、惜しくも左に外れるなどゴールが遠く。最後の瞬間まで集中した守りで完封した浦和東が2ー0で勝利し、新人戦では2大会ぶりとなるベスト4進出を決めた。

今冬チームを引き継いだ平尾監督のもと、新チームはまず守備を徹底。「立ち上げから守備を組織的にずっとやってきて、お前ら守備は自信を持てよという話はずっとしてきた。ブロックを突破された時もゴール前で身体を張ったり、セットプレーもよく跳ね返してくれていた」。

守備の要としてアタックを跳ね返し続け、攻撃では左右両足の正確なキックで先制点の起点にもなった上原は先週日本高校選抜の合宿サポートメンバーとして参加。合宿では埼玉県出身で前橋育英高校の不動のメンバーとして選手権優勝に貢献した同じく左のセンターバックを務める角田涼太朗のプレーを間近で見る中で「間に入れるパスの質がやっぱり違うなと思いましたね」。高校世代のトップレベルを経験したことで大きな刺激を受けたようだ。正智深谷撃破で「かなり自信がついたと思います」と大きな自信もつけて、今後さらなる成長が期待される。

また攻撃の部分ではワントップの小川が1ゴール。「まだエースになりきれていない。やっぱりみんなに認められるエースになって、自分でもエースと言えるくらいの実力、自信をつけていきたいと思います」と自他共に認めるエースへの道を一歩一歩進んでいる。今大会では9番を背負うが、「10番が良かったんですけどね(笑)」とエースナンバーへのこだわりを見せ、「この大会で取り返すというのも含めて絶対的な存在になれるように」と意気込んだ。

チームが目指すのは多様性。「浦和東はこのサッカーしかできないというのだと絶対に勝てない。相手との力関係に応じて自分たちのサッカーを出していくのが本当に強いチーム。全部中途半端になってしまう可能性もありますが、ひとつひとつでもクリアしてやっていこうと言っています」(平尾監督)。見据えるのは6年ぶりの大会制覇、そして2011年以来の全国だ。

一方、正智深谷・小島時和監督は「劣勢の時にどれだけ声をかけられるか。泥臭くてもいいから取れるかどうか」「負けたくない」という気持ちをもっと持って欲しいとし、チームに「判断」が出てくることを期待した。それでもオナイウ、佐藤、波多野、1年生DFの山田裕翔と能力がある選手たちも多いチーム。ここから選手権にかけてじっくりと育て上げていく。

石黒登(取材・文)

試合結果

正智深谷 0-2 浦和東

0(前半)0
0(後半)2