平成29年度 埼玉県高校サッカー新人大会 決勝 成徳深谷 vs 西武台

平成29年度 埼玉県高校サッカー新人大会決勝。初の決勝進出となる成徳深谷高校と6度の優勝を誇る西武台高校の一戦は、先行を許すもMF間中実来、FW新井飛雅と交代選手2人が決めた成徳深谷が延長戦の末に2ー1で逆転勝利。創部20年目で嬉しい初タイトルとなった。

まさに粘って粘っての勝利。劣勢にも顔を下げなかった成徳深谷が新たな歴史を刻んだ。

前半を0ー0で折り返す中で先にスコアを動かしたのは西武台だった。風上に立った後半9分、MF大塚悠平がMF若谷拓海とのワンツーで中央を持ち上がりながら縦パスを入れると、混戦となりながらも最後はキャプテンのFW関口崇太が今大会6ゴール目を決めて先制した。

それでも「このチームには下を向く選手は誰もいない。全員でやってやろうという気持ちでできた」(MF佐藤蒼太主将)という成徳深谷はここからチームの真骨頂である粘りを見せる。

後半12分に準決勝の浦和東高校戦でも途中出場から決勝点をアシストしたジョーカーの間中を投入。前戦同様に「相手のディフェンスを切り裂いてこい!」と送り出された左サイドの切り札は「絶対にゴールを決めようと思って入った。調子はすごく良くて自分のプレーができたと思います」と投入直後からキレのあるプレーを見せると、再び大仕事をやってのける。

後半26分、疲れの見え始めた相手の中盤に対し、この日は前線で守備に走ったMF北原港がダイナミックなドリブルで中央を割ると、新井を経由してボールを受けた間中がエリア内に仕掛けてPKを獲得。普段は蹴らないというが「今日は自分で蹴る」とキッカーを自ら志願すると、落ち着いて「いつも蹴っているコース」というゴール左隅に突き刺して同点とした。

その後もボールホルダーに対し2、3人とカバーに入りながら、大会を通して見せてきた粘り強い守備から攻撃に繋げていった成徳深谷。80分では決着がつかず勝負は1ー1のまま延長戦に突入したが、決勝点はその守備、そして練習を重ねてきたセットプレーから生まれた。

延長前半5分、後半からボランチにポジションを変えた佐藤のインターセプトからのカウンターでコーナーキックを獲得すると、「ファーで呼び込んでニアで決めるというのは話し合っていた」とDF堀井皓士郎がボールに飛び込む。狙い通りの形もシュートはうまくミートしなかったが、後半から最前線に入った新井が右足のつま先でコースを変えてゴールに流し込んだ。

「いままで点を決められていなかったので申し訳ないと思っていた。最後にチームの役に立てて良かったです」と新井。終盤まで気持ちを切らさなかった成徳深谷が歓喜の瞬間を迎えた。

「なんとかタイトルを取りたかった。記憶よりも記録に残したかった。生徒にはとにかく勝ちに行くぞ、取りに行くぞと伝えていた」と就任10年目の為谷洋介監督。主将の佐藤は「まだ歴史のない中で自分たちがこのサッカー部に歴史をもたらせたことが一番嬉しい」と喜んだ。

今大会は支部予選からの参戦。雪の影響で支部準決勝から県大会準々決勝までの4試合は中1試合での戦いを強いられた。1回戦は昨年の高校総体ベスト4の浦和学院高校に逆転勝ち、準々決勝では昨年県内5冠で大会3連覇を狙った昌平高校を延長戦で下し、準決勝も選手権4強の浦和東高校に対し厳しい戦いとなる中でワンチャンスを沈めて決勝まで勝ち進んできた。

そういった中でチームは日を追うごとに成長。「試合ごとにすごくまとまって、逞しくなっていった」と為谷監督。強豪校との連戦にも身体を張り続け、成澤圭梧とともに粘り強い守備を支えた堀井も「ディフェンスやセットプレーは自信に繋がりました」と手応えを口にした。

初の県No.1を達成し次なる目標はその上の景色。「関東大会やインハイ、選手権といったその上がある大会で勝たないと意味がない。しっかりと結果を残せるサッカーにしていきたいです」と佐藤。1年生10番の北原は「守備は今大会でも通用していたし、攻撃の部分でもコンビネーションとかを出していければその先でも通用すると思う。もっとチームを助けられるように決定力を磨いて、関東大会でもタイトルが取れるように頑張りたいです」と次を見据えた。

昌平、西武台、正智深谷、武南。近年は4強がタイトルを独占する中で新たな風を吹かせた成徳深谷。関東大会予選までの2ヶ月間で再びどのようなチームに仕上げてくるのか楽しみだ。

石黒登(取材・文)

試合結果

成徳深谷 2-1 西武台

0(前半)1
1(後半)0
1(延前)0
0(延後)0

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