平成29年度 埼玉県高校サッカー新人大会 準決勝 武南 vs 西武台
平成29年度 埼玉県高校サッカー新人大会準決勝。強風が吹く中で行われた西武台高校と武南高校の一戦は、後半9分までに3点を奪った西武台が反撃を1点に抑えて3ー1で勝利した。
序盤からボールを保持したのは西武台。しかし「相手のプレッシャーが早くてサイドでハマっていた部分があった」(MF大塚悠平)というように、武南の厳しいプレスに対し、サイドにサイドにと追い込まれてボールを失うなど、なかなかゴール前に迫れない展開が続いていた。
それでも西武台はMF若谷拓海を中心に中央の空間に打って出ると攻撃にテンポが出始める。
先制点は前半31分だった。風上の西武台はMF深代陸がエリア外から思い切って狙っていくと「ちょっと遠いかなと思ったんですけど、打った瞬間に枠に入っていたのでこぼすかなと思って」とFW関口崇太。キーパーが弾いたストライカーらしい嗅覚で詰めて試合を動かした。
さらに前半37分には関口のコーナーキックにMF斎藤紀樹が左足を振り抜いて加点。「自分は身長が低い分、マークにつかれない。逆にそれを利用してグラウンダーでもらって」というパターンを得意とする斎藤。攻撃的なタレントが揃うチームで守備的な役割を担うが中学時代はCF。「得点感覚はあると思います」。セットプレーからの3戦連続弾で2ー0とした。
前半のうちに2点差とした西武台は準々決勝の浦和西高校戦同様、後半開始直後のゴールで勝負を決めた。後半9分、左サイドからドリブルで切れ込んだ大塚が「今日は点数を決めることを意識していた。あそこはもう思い切り振り抜くだけでした」と、一度中に入れようとしてディフェンスラインに弾かれたこぼれ球に迷わず右足を振り抜いてゴール右上隅に突き刺した。
武南は後半26分にFW相馬克也のクロスに後半途中出場のMF新井英博が右足ボレーで合わせて意地の1点。その後もMF渡辺瑠太のサイド突破や連続のセットプレーなどで相手を押し込んだが、追加点とはならなかった。3ー1で勝利した西武台が3年ぶりの決勝に駒を進めた。
「武南は経験のあるチーム。簡単にいかないことはわかっていたが、今日はバランスも良くなかったし、慌ててみんなボールをもらいにいってしまった。待つこと、飛び出すことももうちょっとほしい」と守屋保監督。数字だけ見れば3ー1の快勝だが、前半は相手の守備にハマってテンポアップできなかった点を反省点とし、また「この年代で30mを正確に止めて蹴って意図的にスルーパスを出しているのがわかる選手になってほしい」とチームに課題を出した。
石黒登(取材・文)
試合結果
武南 1-3 西武台
0(前半)2
1(後半)1