[高校女子]南稜が優勝候補・昌平撃破! 後半は5バックで守り、少ないチャンス仕留める

高校女子の令和6年度学校総合体育大会埼玉県大会の準々決勝が3日に行われ、3大会ぶりの優勝を目指す南稜が新人戦覇者の昌平を2-0で下した。6日の準決勝では埼玉栄と対戦する。

南稜が「狙い通り」の形で昌平撃破。小椋大監督は「新1年生も入ってきて、けが人も多くてという中で1点取って帰ってきて、後半は5バックにして、後半はうちのシュートは1本とかだったと思うんですけど、そういう戦い方をする。でも守備陣が頑張りました」と選手を讃えた。

昌平は今冬の新人大会で圧倒的な力を見せて初優勝。この日もエースのMF金澤道(3年)、10番MF佐藤李那(3年)、FW松井美優(2年)の攻撃の3枚看板を中心に前半から攻め立てた。

それでも先制したのは南稜で前半13分、左MFとしてスタメンした宇野百香(1年)の良い守備から10番FW高橋咲来夢(2年)も絡んで中にボールを折り返すと、MF名川朱鞠(1年)のシュートはポストに当たったが、こぼれ球をMF関口愛果(3年)が押し込んで先制した。

南稜はHT明けから5-4-1に変更。ブロックを作りながら相手の強力アタックに対抗する。

3月に長期の離脱から復帰したばかりのDF會田果乃子(3年)主将は「どんどん前に人を出していくっていうのを意識してやっていて、それがちゃんとハマっていた。相手のドリブルに対してはちょっともう行かれちゃうのは仕方ないかなという感じで、入れられたら入れられたらでしっかりと正面に立ってやらせないっていうのをしっかりとやってきてそれができた」と話す。

昌平は金澤が果敢に仕掛け、佐藤がロングレンジやカットインからシュート。16分にはDF津久井小夏(3年)主将のフリーキックからデュエルの強さのあるDF森居杏桜(3年)がヘディングで迫ったシーンは惜しかったが、なかなか枠内シュートを増やしていくことができない。

南稜はしっかり守りつつ好機を待つと、再びワンチャンスを決めきった。21分、対角を狙ったMF池上優香(3年)のフリーキックをDF瀬下翠月(3年)がヘディング決めて2点目とした。

終盤も昌平の猛攻にさらされたが、DF高木莉乃(3年)や瀬下がゴールをカバー。また、「みんなが声をかけあってゴールカバーに入ってくれたのもあって、私も強気で出れたのでいままでで一番良かった」と話すGK薮田紗良(3年)も終盤果敢にシュートに飛びつき好セーブ。そのまま無失点で凌いだ南稜が優勝候補筆頭とみられた昌平を下し、2大会連続の4強に進出した。

新人大会は8強で敗退。今大会は準々決勝で昌平と当たる激戦区に入ったが、「どうせ優勝するんだったらどこかで昌平を倒さないといけない。多分決勝で倒すよりもエイトで倒す方が簡単だよっていう話をして、まずは無理じゃないんだよというところ」(監督)を徹底したという。

また、小椋監督は浦和南高の出身で、同校監督で昨年もインターハイ予選で昌平を下すなど、公立の雄として私学優勢の中でも存在感を放ち続ける野崎正治監督の教え子。「野崎正治先生と僕に与えられた使命は昌平を倒すこと。そこは僕は逆に運命だと思って、野崎正治だったらどう考えるかなと思ってやりました」。まさに恩師のDNAを継承するような堅守で強敵撃破となった。

石黒登(取材・文)

試合結果

昌平 0-2 南稜
0(前半)1
0(後半)1