浦和南の圧力に苦戦も、武南がCBコンビのホットラインから決勝点 新人戦準決勝

令和5年度埼玉県高校サッカー新人大会・準決勝(17日、昌平高)。連覇を狙う武南と前年の選手権ファイナリストの浦和南の一戦は、CB杉浦陸玖(2年)のゴールで武南が1-0で制した。

立ち上がりから武南は浦和南の圧力に苦しんだ。浦和南は前半から徹底して相手の嫌がるところにボールを入れながら、10番FW掛谷羽空(2年)を起点としたプレッシングで押し込んだ。

武南はなかなか前を向けない状況や、前を向けてもスペースを与えてくれない浦和南の徹底したサッカーに苦戦。ゲーム主将を務める杉浦は「1発で返せなかったり、セカンドボールの回収も悪い時があって、前に運んでも返されてしまったり、なかなかリズムも掴めなかった」と話す。

前半は浦和南のペースで試合が展開。その上で浦和南は後半、自慢のセットプレーからゴールに迫る。6分、DF美島薫(2年)の右コーナーキックからのこぼれ球でエースの掛谷が決定機。さらに21分には再び美島の精度のある左足のキックから掛谷のシュートがポストを強襲した。

それでも武南は24分、MF平野琉斗(1年)のフリーキックから「自分はドリブルが強みというかできるところ。自分で仕掛けようと思った」と話すCB大澤拓馬(2年)が大外で受け仕掛けてクロス。これに「大澤くんからクロスが来るっていうのは信じていたので、飛び込むだけだった。(ヘディングは)身体が勝手に動いた」という杉浦がダイビングヘッドで合わせて決めた。

終盤は武南が流れを持って試合を運び、42分にはこの日は途中出場だったMF大熊來瑠(2年)のシュートがクロスバーをかすめた。追加点は奪えなかったものの、武南が1-0で勝利した。

昨年はインターハイ予選決勝、リーグ戦で2度戦ったものの、当時からの主力は大熊のみで選手たちにとっては初めて中で体感する浦和南の圧を前に課題も多く出た試合に。内野慎一郎監督は「こういう感じなんだなというのを経験できたと思うので、これをどういう風に自分たちのサッカーにしていくか」と話し、この経験を肥やしに選手たちひとりひとりの取り組みを求めた。

石黒登(取材・文)

試合結果

武南 1-0 浦和南
0(前半)0
1(後半)0