平成29年度埼玉県高校サッカー新人大会南部支部予選2回戦 川口東 vs 川口青陵
平成29年度埼玉県高校サッカー新人大会南部支部予選2回戦。川口東高校会場でも2試合が行われ、第1試合は川口東高校と川口青陵高校が対戦した。試合は川口東が後半7分にFW石川諒が決めた1点を守り切って1ー0で勝利。川口東は3回戦で浦和南高校と激突する。
1回戦では大宮開成高校に逆転勝ちした川口青陵とシードでこの試合が新人戦初戦となる川口東。先に仕掛けたのは勢いに乗る川口青陵だった。前半5分には右サイドからのクロスをMF東城敬伍がフリーでヘディングシュート。いきなり得点かと思われたがボールは枠を逸れた。
その後は川口青陵の2本に対し、5本とシュート本数では上回った川口東だが、焦りからか簡単に失う場面も多く、前半は決定機らしい決定機を迎えられずにスコアレスで折り返した。
後半もファーストチャンスは川口青陵。4分に中盤からの浮きパスを収めたMF野村杏樹が左からクロスを入れると、後ろから走り込んだMF吉田光祐が惜しいヘッドを放っていく。
そんな中で先にスコアを動かしたのは川口東だった。後半7分、右サイドからのクロスに対して石川が頭で合わせると、相手守備に当たったこぼれを自ら左足で押し込んでゴールネットを揺らした。「攻められる時間も多い中で、チーム全体でなんとか前半を0ー0で折り返して、あとはFWが点を取るだけだった」と石川。新背番号10の得点で川口東がリードを奪う。
その後は同点弾を狙う川口青陵の猛攻に遭うも、川口東は千野翔大、小飯田豪の両センターバック、左サイドバックの桑田耕輔、キーパーの芳野勇輝らが耐えず声をかけあいながら身体を張った守備でしっかりと0封。苦しみながらも1ー0と勝ち切って3回戦進出を決めた。
決勝点の石川は今年からエースナンバー10を背負う。「自分にマークがつけば他の人が空くし、自分がいくことでラインも上がる。攻撃に火がつくように、最初は自分で突破しようと思っていました」。この試合では立ち上がりから単騎で2枚、3枚と剥がす鋭いドリブルを見せるなど、初戦の固さからなかなかうまく波に乗り切れないチームを最前線から鼓舞し続けた。
そんな石川に対し、上原克彬監督も「最上級生だし、下級生の頃から試合に出ていたというところで、自分が中心にならないといけないという自覚が芽生えてきたのが大きい。それもあって10番を託した。周りも石川諒にはものすごい期待しているし、信頼もしている」という。
石川に10番の仕事はと聞くと「自分は10で前(のポジション)なので点を取ることがまず一番」と即答が返ってきた。川口東の新エースは今年、得点という形でチームを引っ張る。
3回戦の相手は浦和南に決まった。一昨年の選手権予選・準優勝校は2回戦の上尾南高校戦では前半だけで8ー0、最終的には14ー0と大勝を飾っている。「力関係では間違いなく南高さんの方が上。ただその中で消極的になるのか、積極的にやれるのかというところは大事」と上原監督がいうように、「積極性」というところは勝利に向けてひとつ大きなポイントとなる。
「どれだけ早い段階で点を取って守りやすくできるかどうか。1チャンス1チャンスを無駄にしないように、絶対に決められるように1週間で準備をしていきたい」と石川。最後尾で浦和南の攻撃を受け止めるタスクを背負う主将の千島は「浦南はサイド攻撃が強いというのはわかっている。それを中心に練習もやってきたのでいまはそんなには不安はない」と語った。
果たして支部予選屈指の強豪を下し、ジャイアントキリング達成となるか。
石黒登(取材・文)
試合結果
川口東 1-0 川口青陵
0(前半)0
1(後半)0