第98回全国高校サッカー選手権大会埼玉県大会一次予選 川口青陵 vs 星野

第98回全国高校サッカー選手権大会埼玉県大会一次予選が18日に川口青陵高校ほかで開幕。同会場第1試合はホームグラウンドの川口青陵が7ー0で星野高校を下し、2回戦に進出した。

川口青陵は序盤から相手サイドバックの裏のスペースをつくと前半1分、MF飯塚修馬のスルーパスに反応した右サイドハーフの田島康太が沈めて先制。さらにその1分後には再び田島が右サイドの裏に抜け出し、クロスを飯塚が仕留めて開始2分で2点と最高のスタートを切った。

一方、星野はMF井上正樹が精力的に動きながらカウンターからチャンスの芽をうかがうが、なかなか前に運ぶシーンを作れず。前半30分には左からのアーリークロスにFW松川侑聖がディフェンスに付かれながらも反転から狙ったが、シュートは枠を捉えることができなかった。

早々と2点を先行したことで逆に中盤は攻め倦む場面もあった川口青陵だが、前半のうちにFW具志堅英がゴール前の混戦を決めて3ー0で折り返すと、後半はこの日コンディション不良からスタメンを外れたMF藤田健を投入し、再びサイドアタックから敵陣への圧力を強めていく。

すると後半20分、DF渡邊翔のフリーキックからファーポストに走り込んだDF滝澤廉王が競り合いながら右足で合わせて4点目。38分には右サイドで形を作り、MF吉田光祐のクロスに渡邊が思い切りの良いダイレクトボレーを突き刺してリードを広げた。ロスタイムにもMF渡辺優吾、藤田と途中出場選手も結果を残すなど、終始圧倒した川口青陵が2回戦へと駒を進めた。

山田純輝監督体制となって4年目。「一巡して、サッカーを頑張るぞという子たちが入ってくるようになったので、層も厚くなって、少しは戦えるチームになってきたなと思います」。今年は1年生36名が入学し、3学年合わせて97名の大所帯となった。そういった意味でもここでひとつ県大会を経験することができれば「この子たちが成長するために大事なポイントになる」と指揮官。次戦・東野に一戦必勝で臨み、鬼門となっているブロック決勝に弾みをつける。

狙い通りの形から電光石火の2ゴール 後半も武器のサイド攻撃を生かして7得点発進

武器のサイドアタックで流れを握った。

試合前のミーティングで「立ち上がり勝負」「サイドの背後を突いていく」ことを確認した川口青陵は開始わずか1分でその形を体現し田島が先制。「常に裏は狙っている」というサイドアタッカーはその1分後にもサイドバックの裏のスペースを突いて、追加点をアシストした。

後半もサイドを起点に仕掛けて7得点大勝。左サイドバックとして積極的に攻撃参加し、チーム5点目となるボレーを叩き込んだ渡邊は「クロスから点も決められたし、クロスの本数も上がっていたので、今日は結構攻められたと思います」と、自慢のサイド攻撃に自信を見せた。

スピードのある両翼に加え、サイドバックも技術が高く、いなしていくことができる強みもある。裏を取るパターン、クロスに入っていく形もこだわりを持ってやってきている部分だ。

インターハイを含め、ここ数年チームはブロック決勝で苦汁を舐めさせられているが、今年はこのサイドアタックがうまくハマるかが鍵を握りそう。3年生として最後の選手権に強い意気込みを持って臨んでいる渡邊は「次に勝てばあとは勢いに乗っていくだけ。次で勝負が決まるので、自分たちはやれるという自信を持って、強くいきたい」と、次戦・東野戦を見据えた。

石黒登(取材・文)

試合結果

川口青陵 7-0 星野