全国で上位に行くために手に入れた新たなオプション 2トップシステムが機能の昌平が7発快勝で2回戦へ!

第102回全国高校サッカー選手権大会の1回戦が12月29日に埼玉スタジアムほかで行われ、埼玉県代表の昌平は7-0で奈良育英(奈良)を下した。2回戦では米子北(鳥取)と対戦する。

昌平は今季のプレミアリーグ終了後に本格導入した2トップシステムが機能した。この日は小田晄平(3年)を最前線に、鄭志錫(2年)がトップ下のような位置と、フォワード2枚を縦関係に配置し、小田が1ゴール1アシスト、鄭が2ゴール1アシストとそれぞれ結果を残した。

序盤から押し込んで進めた昌平は前半11分、MF土谷飛雅(3年)を起点にした攻撃で鄭が抜け出すと、キーパーを十分に引きつけてラストパス。これに小田が右足で合わせて先制した。

25分には鄭が競って落としたボールを小田が繋ぎ、土谷が技ありのボレーで沈めて追加点を挙げると、さらに36分には10番のMF長準喜(3年)が左サイドで果敢に仕掛けてシュート。これはキーパーに防がれたが、こぼれ球をニアに飛び込んだ鄭がきっちり決めきって見せた。

後半もメンバーを入れ替えながら攻撃力は落とさず。21分、DF佐怒賀大門(3年)のフィードをFW工藤聖太郎(3年)が落とし、裏に抜け出した鄭が右足で決めてこの日2点目を挙げる。

26分にはMF西嶋大翔(3年)が、33分にはMF長璃喜(1年)が連続して個人技からゲット。40+1分には西嶋のクロスに工藤が右足のワンタッチプレーで合わせて決めてダメを押した。

「決勝が終わってから、このまま行っても、ちょっとなかなか同じ感じでやっても上位に行けないなと思った」(村松明人監督)。県予選後、チームはある大きな決断に踏み切った。それが2トップシステムの導入だ。プレミアリーグが終わった12月の頭から実際にシフトし始め、いろいろな選手を試しながら3週間かけて準備。直前に行った京都橘との練習試合では小田と鄭がうまく補完し合う形で2-0で勝利。小田も1ゴールを挙げるなど一定の手応えを掴んで迎えた。

村松監督は「(フィットするかは)五分五分でした。県予選中も行こうとは思っていたんですけど、時間がなかったのと、選手がやりづらい状況になってもあれだったので。同じようなことをやっていればもっと予選も良い戦いができたかもしれないですけどそれは結果論。3週間ちゃんと準備してきたことが今日のゲームは出た部分はあるのかなと思います」と好感触を語った。

石黒登(取材・文)

試合結果

昌平 7-0 奈良育英
3(前半)0
4(後半)0