「最後は西が丘で」でスタートした1年、大宮U15が悲願の初優勝へあとひとつ! 決勝で歴史を作る

高円宮杯 JFA 第35回全日本U-15サッカー選手権大会の準決勝が25日に行われ、大宮アルディージャU15は1-0で柏レイソルU-15を下し、10年ぶり3度目の決勝進出を果たした。

1点を争う緊張感のあるゲームを制し、初優勝を狙うファイナル進出――。大宮U15丹野友輔監督は「非常にタフなゲームだったと思う。本当に選手がよく頑張った」と激戦を振り返った。

試合はがっぷり四つの展開の中で、大宮U15は中澤凜(3年)、熊田佳斗(2年)のCBコンビを中心とした固い守備から「時間を操れる選手」と監督も話すMF神田泰斗主将やMF小林柚希、10番FWエドワード真秀(ともに3年)が中盤のギャップで受けチャンスメイクを試みる。

33分にはピンチを迎えたが、守護神の岡村泰志(3年)が決定的なシュートをストップした。

後半に入り、大宮U15は動く。MF石川匠(2年)を左サイドに投入し、左サイドでスタートしたエドワードがトップへ。その上で「相手がこうだからというよりは自分たちがいままで積み上げてきたものをしっかりやっていこうと」(監督)。前からボールを奪いに行く守備や切り替えの部分の徹底、アタックの際にも相手をしっかり見ながらプレーすることを確認して後半に臨む。

すると試合が動いたのは後半10分だ。大宮U15は敵陣右中間でフリーキックを獲得すると、神田主将の正確な左足のキックからファーサイドで中澤がヘディングで合わせて均衡を破った。

終盤は再び守護神の岡村が躍動した。32分、ペナルティキックを左に飛んでストップすると、その2分後には縦パスに抜け出た相手10番との1対1を前に出て防ぐなど、好守を連発。岡村の活躍もあり、3試合連続の無失点に抑えた大宮U15が10年ぶり3度目の決勝進出を決めた。

悲願の初優勝まであとひとつ。2012、2013年に連続して決勝に進出したが、一歩届かなかった。

「そこを目標に掲げて1年間やってきましたし、関東リーグが開幕する時にミーティングで「最後は西が丘で絶対に終わるぞ」という話はしていて、最後そういう形で勝って終わることが自分たち次第でできるので、その目標に向けてしっかりと準備していきたいなと思います」(監督)

中澤は「スタメンで出ている11人だけじゃなくて、怪我している選手だったり、ベンチに入れない選手もいるので、そういう気持ちも背負って、チームのために戦っていきたい。決勝でもいままで自分たちがやってきたものをしっかりこのピッチで表現して絶対に勝ちたい」とし、岡村は「2位じゃ終われない。最後はアントラーズですし、関東リーグでもやっているので、そこはもう絶対に勝ってやるという気持ちで優勝させたい」と語った。歴史を変える準備はできている。

石黒登(取材・文)

試合結果

柏レイソルU-15 0-1 大宮アルディージャU15
0(前半)0
0(後半)1