最後に決めきった成立ゼブラがクラセンに続き、高円宮杯でも7年ぶりの関東大会出場を掴む

「高円宮杯 JFA 第33回全日本U-15サッカー選手権大会 埼玉県予選」の代表決定戦が20日に行われ、第7ブロックでは成立ゼブラが延長戦の末に1-0でFC KAWAGUCHIを下した。

序盤からボールを持った成立ゼブラは、上部組織の成立学園高と同じく人とボールが常に動き、ポジションに囚われず、自分たちの判断で形を変えていく変幻自在のスタイルでペースを握る。

しかし、「ボールは持っているけど、やっぱりゴールに迫るプレーとか、そういうのが少なかった。あそこでもう少し大胆にゴールを目指したりとか、チャレンジしても良かった」と成立ゼブラ・山田育也監督がいうように引いた相手に苦戦。FW齊藤光汰(3年)がクロスバー直撃のシュートを放ったほか、10番MF中村翔和(3年)が仕掛けるもゴールに繋げることが出来ない。

試合はスコアレスのまま延長戦に突入。成立ゼブラは、左の中村が何度も推進力のあるドリブルでトライし、相手を追い込む。すると試合が動いたのは終了間際のラストワンプレーだった。

延長後半11分、斎藤がエリア外からミドルを放つと、これにストライカーらしい嗅覚で反応したFW佐藤托将(3年)が背後からの難しいボールをダイレクトで合わせて、決勝点とした。

これでクラブユース選手権に続く、7年ぶりの関東大会出場が決定。夏のクラセンでは久々の関東ということもあり、経験値の少なさも感じたというが、「子供たちもそのゲームを経験したから、やっぱりあそこに戻ろうという、大きな目標になった。Jのクラブとやってもそこそこ通用する部分も感じたと思うし、そういう経験をさせていただいたというのは本当に素晴らしい経験になったんじゃないかなと思います」と、選手たちの心に火をつけるきっかけにもなった。

「(クラセンでも)自分たちらしく攻撃も守備も出来たという印象は強いので、やっぱりあながち間違っていないというか、きちんとボールを自分たちで保持することに徹底してチャレンジするスタイルというのはやっぱり大事だなと思いますし、守備のところも個人の能力はほかのJや街クラブの方が高いかもしれないですけど、チームみんなで守備を頑張ろうという、そこのコンセプトは攻撃も守備も、やっぱりその舞台だからこそ、クラブとしてはそこを追求したい」。

高円宮杯・関東大会でも余所行きのスタイルではなく、「このサッカー」で勝利を奪いに行く。

石黒登(取材・文)

試合結果

成立ゼブラ 1-0 FC KAWAGUCHI
0(前半)0
0(後半)0
0(延前)0
1(延後)0