<全国高等学校サッカー選手権大会 埼玉県予選会決勝トーナメント準々決勝>大宮南 vs 正智深谷

全国高校サッカー選手権埼玉大会は浦和駒場スタジアムで11月5日(土)、6日(日)にわたり準々決勝を開催。5日の第2試合では昨年の選手権代表校・正智深谷高校と9年ぶりにベスト8に進出した大宮南高校が対戦した。

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今年に入り両校は、大会、リーグを合わせ3度対戦。高校総体予選ではベスト8で当たり2-0、リーグでは2-1、4-0といずれも正智深谷が勝利していた。

まず好機を作ったのは正智深谷。前半5分、右サイドで新井晴樹が受けるとGKとDFの間にクロス。これは玉城裕大には通らなかったが、波状攻撃から最後は起点となった新井が飛び込む。序盤は正智深谷が敵陣でボールを支配しながら、新井や今岡マックスといった選手が続々とゴールを狙っていく。

対する大宮南は前半19分、左サイドで細かくボールをつなぐと、田木優が左45度、エリア手前からロングシュート。このシュートはクロスバーを越えたが、正智深谷のディフェンス陣にプレッシャーをかける。守ってもコンパクトな守備からの素早い寄せで決定的な場面は作らせない。

すると正智深谷はボールを握りながらも、裏への抜け出しや楔のパスといった特徴を発揮できずに前線が停滞していってしまう。

「自分たちのラインも低く、前の選手も個人個人でやっていて、連動性がなかった。勝たなければいけないという意識から、リスクの少ないロングボールを入れていたので、どうしても前線の一個下、2列目の選手が孤立してしまった」と正智深谷・小山開喜主将。

逆に大宮南は30分過ぎから連続してセットプレーを迎えるが、いずれも得点に結びつけることができず。前半は0-0のまま折り返すこととなる。

ここで正智深谷・小島時和監督が動く。後半開始頭から今岡を下げ、田島帆貴を投入。新井を左に回し、新井のいたトップに田島が入る。するとこの田島が、前半は使えていなかったというディフェンスラインの前のスペースをうまく使い、徐々に攻撃にリズムを作っていく。

そしてついにゲームが動く。後半16分、左SBの金子悠野が相手ゴールライン際で粘ってボールを残す。一瞬、足を止めた大宮南ディフェンスの隙をついてマイナスのクロスを送ると、ボールは鈴木涼太を経て、フリーの玉城の足元へ。「悠野のおかげですね。ど真ん中だったので決めるだけでした」という玉城が左足で決め、正智深谷が先制に成功する。

これで取りにいくしかなくなった大宮南は、清水祐輝を起点とした攻撃で1点を奪いにいくが、なかなかシュートまで持ち込むことができない。

さらに正智深谷は後半28分に新井を下げ、スピードのある西澤悠人をピッチに送り込む。その西澤が試合を決める。後半37分、カウンターから田島が左サイドを抜け出した西澤へ。これをフリーで受けた西澤はGKの動きを見ながら冷静にゴールに流し込み貴重な追加点。その後も攻め手を緩めなかった正智深谷が2年連続の準決勝進出を決めた。

2-0の勝利にも「すっきりした試合ではなかった。なかなか歯車が噛み合わない試合が続いている」と正智深谷・小島監督。それでも「良いゲームで勝ち上がるよりも、苦しみながら勝つことが良い経験になる」と語り、試合を経験していくことでの選手たちの成長に期待した。

昨年は埼玉県代表として出場した選手権で1回戦敗退。チーム全体に「リベンジしたい」という思いがあるという。準決勝では全国高校総体3位の昌平高校と対戦する。玉城は「針谷(岳晃)が上手いので、パスを出させないように自分のところで止めたい」と針谷封じを誓った。

一方、大宮南・田中龍太郎監督は「あのミスがね……」と失点シーンを悔やみながらも、「正智とは今年4度目の対戦だが、今日が一番頑張ったんじゃないですか。よくここまで引っ張ってきてくれた。後輩に残したものは大きい」と、9年ぶりのベスト8に導いた3年生たちを讃えていた。

石黒登(取材・文)
椛沢佑一(写真)

試合結果

大宮南 0-2 正智深谷

0(前半)0
0(後半)2

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