自慢のサイド攻撃が光る、本庄第一が慶應志木に9発大勝!初戦突破は4強入りした2012年以来

「第102回全国高校サッカー選手権大会 埼玉県大会」1回戦(8日、立教新座会場ほか)。S2Bリーグ所属の本庄第一は慶應志木と対戦。本庄第一が9-0と圧倒し、2回戦進出を決めた。

自慢のサイド攻撃が光った。立ち上がりは後ろ4枚と中盤の3枚で中央の守備の枚数を揃えてきた慶應志木に対し、なかなか崩せずに苦しんだが、本庄第一は仕掛けの意識を共有した引水後に左サイドのMF西澤唯希(3年)、右サイドのMF小川颯太(3年)の両翼を中心に攻め込む。

そして前半32分、縦パスに抜け出た西澤がキーパーを冷静に交わし、ゴールへ流し込んで先制。その4分後には左SB原琥我(3年)のクロスから中に入った小川が打ち抜きネットを揺らした。

さらにゴールラッシュは続く。39分には1回戦は怪我明けの調整で出場のなかったFW樋上大翔(3年)に代わり、キャプテンマークを巻いたMF小河巧夢(3年)のカットインからのシュートはキーパーに弾かれたが、こぼれ球を原が詰めてチーム3点目とすると、アディショナルタイムにも10番MF早川和希(3年)のアシストから西澤が決めるなど、4-0で折り返した。

慶應志木も後半、パワーを持って前に出てMF中川凱成(3年)がゴールを狙うシーンもあったが、本庄第一も188cmの長身GK玉井優希(2年)が空中戦で強さを見せるなどここを凌ぐ。

10分にはクロスを胸で収めた小川が「後ろから(相手が)来ているとわかったので、キックフェイントみたいな感じで」と左足で浮かす形でコントロールし、右足のボレーで叩き込むゴラッソで加点した。その後も15分には小河が、19分にはMF茂木開斗(3年)が決めると、終盤には途中出場のMF髙橋悠真(3年)が2ゴールを決めるなど大量9得点で快勝。大山真司監督は「今日はサボりの選手がいなかったのが一番良かった」とハードワークし続けた選手たちを讃えた。

本庄第一の選手権2次トーナメントでの初戦突破は西武台を破り、4強に進出した2012年以来、実に11年ぶり。この日2ゴールの西澤は「本庄第一はこの10年、初戦を突破できていなかったので、とりあえず1勝できて良かった」と久々の県大会での勝利に胸をなで下ろしていた。

2回戦の相手は細田学園に。小川は「逆サイドのS2リーグで1位にいてすごい強いチームだと思いますが、自分たちはどんな時でもチャレンジャーなので、しっかり準備をして、自分たちの強さを出して勝ちたい」と意気込む。また、その上でチームとして見据えるのが昌平との再戦だ。

今大会も優勝候補筆頭とみられる昌平とは総体予選の2回戦で対戦し、1-4で敗れている。

「共通認識として、やっぱり昌平まで行って、昌平へのチャレンジ権を越えて、昌平にリベンジするっていうのはすごいみんな意識してやっているので、ひとつひとつ勝ち上がってスタジアムに行って、そこでしっかり戦えるというのを見せていきたい」(小川)。そのためにもまずはS2Aリーグ首位で4年連続選手権予選8強の細田学園を倒し、その力があることを証明する。

石黒登(取材・文)

試合結果

慶應志木 0-9 本庄第一
0(前半)4
0(後半)5