立教新座が花咲徳栄との“S2対決”を制す 次戦・浦和東戦は「立教のサッカー」で勝つ

「第102回全国高校サッカー選手権大会 埼玉県大会」が8日に県内各地で開幕した。S2同士の対戦となった立教新座と花咲徳栄の一戦は立教新座が2-0で勝利し、2回戦進出を決めた。

今季は関東予選で8強、総体予選で16強と県大会でも上位に食い込む花咲徳栄は2年生主体の若いチーム。前半はその若い勢いを体現するかのようにFW西尾優輝(2年)、MF大山輝(2年)らが前線からハイプレスをかけ、スピード感のあるアタックから相手陣地でゲームを進めた。

立教新座は「選手権は独特な雰囲気というのはわかっていた中で、自分たちは最初から繋ごうと言っていたんですけど、案の定繋げなくて蹴る形になってしまった」(伊藤廉希主将)というように相手のアップテンポな展開に合わせてしまい、なかなかペースを掴むことができずにいた。

それでもこの流れを変えたのが10番の一振りだ。33分、「シュートが少ないなと感じていた」というMF粟屋大智(2年)は右サイドでボールを受けるとキーパーの位置を確認し、左足をスイング。シュートは伸ばしたキーパーの手を越し、ネットに吸い込まれるゴラッソとなった。

一方、先制を許した花咲徳栄も前半終了間際にチャンス。左サイドでボールを持ったMF仲山陽(2年)が切り返しから、右足で狙ったが惜しくも枠を捉えることができない。また、守護神の絹真那斗(3年)が前半追った負傷でプレー続行不可能になるなど厳しい展開を強いられる。

後半は相手が運動量を落としたことで立教新座がボールを持ってゲームを進める時間を増やす。その中で4分にはFW伊藤廉希(3年)のポストプレーから右SB髙橋知希(3年)がゴールに迫るシーンも。また、守備面では指揮官からの信頼厚い左SBの岡本聡吾(3年)が強さを見せ、2年生守護神の凌晴斗(2年)がハイボールに抜群の安定感を見せるなどゴールは割らせない。

27分には右サイドでファールを獲得すると、粟屋のキックはキーパーの手に当たりクロスバーに弾かれたが、こぼれ球にMF清水聖矢(3年)が左足を振り抜いてゲットし勝負を決めた。

「内容20点、結果は100点」(前田和伸監督)。どのチームにとっても難しい初戦。相手の得意な展開に持ち込まれながらそこで最終的に上回ったこと、結果は収穫だが、内容的には課題の残るものに。「本来うちがやっているサッカーとはまったく違うものになってしまった。まったく顔が上がらない、プレーテンポも全然、そういう意味での判断がちょっとだいぶおぼつかないところがあった。その中でも1試合こういう悪い内容でも終えられたという意味で結果は100点。やっているサッカーは立教じゃないサッカーになってしまったなというのはあります」と語る。

次戦は関東予選3位の浦和東が相手。今季は同じS2Bに所属し2戦2勝としているが、タイトな守備をベースに粘り強く戦う難敵だ。伊藤廉主将は「リーグ戦でお互いに手の内を見せ合っているというか、どんなチームかはわかると思うので、そこでしっかり相手を崩せるかというのが本当に大事になってくると思う。2戦目もしっかりと勝利できるように、次の試合に向けて頑張って行きたい」とした。次はしっかり繋ぎながら判断を持って崩す「立教のサッカー」で勝つ。

石黒登(取材・文)

試合結果

花咲徳栄 0-2 立教新座
0(前半)1
0(後半)1