埼玉朝鮮中が川口西中との激戦を制し、昨年のリベンジ! 初の関東狙う「目指せる力ある」

22日、令和5年度学校総合体育大会県大会の2回戦が川越陸上競技場ほかで行われ、埼玉朝鮮中と川口西中が激突。埼玉朝鮮が2-1で勝利し、昨年大会に続き、ベスト16進出を決めた。

埼玉朝鮮は4-3-3でスタート。右WGのキン・テイン(3年)、左WGのリャン・サンヒョン(3年)の両WGが果敢にサイドをえぐりつつ、スルーパスやワンタッチパスを交えてアタック。中盤では10番のMFチョン・チャンピョン(3年)がこの日も抜群の存在感を放っていた。

スコアが動いたのは前半14分、埼玉朝鮮はゴール右斜め前でFKを獲得すると、キン・テインの左足のキックはニア上のここしかないコースに突き刺さるゴラッソ。「(FKは)あまり肩に力を入れないことを意識している。自分を信じて打って、コースは狙い通りでした」。1回戦でもFKから直接ゴールを決め、良い感覚を持っていたというFWの2戦連続のFK弾で先制した。

さらに24分には連続して攻撃を仕掛けると、「シュートは気持ち。自分を信じて振り切った」と話すCFのソン・ヒョニ(3年)が混戦を右足で打ち切って追加点を挙げて、2-0とした。

一方、川口西は中盤の3枚のところで相手に上回られ、数的優位を許すなどなかなかリズムを作れずにいた。それでも前半終了間際の29分、FW蛭田心凪(3年)とのワンツーからMF塚本匠海(3年)が沈めて1点差として折り返す。後半は人を代え、位置を変えながら10番のMF浅田奏汰(3年)を中心にアタックを仕掛け、そこで得たセットプレーからゴールに迫った。

埼玉朝鮮は後半からキン・テインが左のストッパーに落ち、さいたま市予選でも無失点に抑えた3バックシステムに。相手の攻勢に対してもキン・テイン、キン・ユビン(2年)、リ・セヨンの3枚、GKリャン・セイ(3年)がしっかりと跳ね返し続ける。またその中でもリャン・サンヒョンを起点としたカウンターからチョン・チャンピョンが何度かエリアをえぐり怖さを見せた。

川口西はラスト10分となったタイミングでCBの平林琉海(3年)主将が前へ。パワープレーから同点ゴールを狙う。後半は結局そのままスコアが動くことはなかったが、互いに最後まで力のすべてを出し切った好ゲームを制し、埼玉朝鮮が2大会連続のベスト16にコマを進めた。

埼玉朝鮮は昨年大会の16強で川口西に0-3で敗退。今年の選手たちも半数以上がそのピッチに立っており、まさにこの一戦は1年越しのリベンジマッチだった。郭峻宇監督も「絶対にリベンジしてやろうと。まずは初戦をしっかりと勝って、ここに照準を合わせて、この1週間も対策であったり、自分たちの強みを出すというところを練習して挑めて、その強みを出せた試合」と力を込めた。また、チームとしてはリャン・サンヒョンが得点源になることが多いが、市予選で無得点だったソン・ヒョニにゴールが生まれたのは今後に繋がる大きな材料となりそうだ。

今年はさいたま市冬季大会で3位、さらに総体市予選では準決勝でその後優勝する尾間木中に0-0からのPK戦の末に敗れたが、耐えてのではなく、「勝負して」のスコアレスだったこともあり自信をつける一戦にも。主将のチョン・チャンピョンは「本当に今年は自分も自信があって、関東を目指せる力も自分たちは持っていると思う」とし、「でもまだ足りない部分はもちろんあるので、そこを自分たちが少しずつでもチームがひとつになって修正して、もっと強い力を持って次の試合に臨むこと。そこが関東を目指す上では重要かなと思います」と語る。自信を深めるチャレンジャー、埼玉朝鮮中が大会中も成長しながらまずは初の関東大会出場を目指す。

石黒登(取材・文)

試合結果

埼玉朝鮮 2-1 川口西
2(前半)1
0(後半)0