浦和南が立教新座との注目対決を制す! DF橋本優吾主将は応援に感謝「チーム一丸になれた」

令和5年度全国高校総体サッカー大会・埼玉県予選が3日に開幕(浦和南高会場ほか)。1回戦の注目カードとなった浦和南と立教新座の一戦は、2-0で勝利した浦和南が強さを見せた。

立ち上がりは初戦特有の固さもあったが、1トップの掛谷羽空(2年)に当てながら徐々に相手を押し込んでいくと前半34分にネットを揺らした。MF石川慶(3年)が相手GKにプレスをかけてパスミスを誘発。これをカットした10番MF伊田朋樹(3年)が繋ぎ、右SBの伴美寿希(3年)がダイレクトで入れると、DFの前に入った掛谷がヘディングで叩き込んで先制した。

立教新座は39分、MF清水聖矢(3年)の左クロスからMF見山優(3年)が決定機を迎えたが、浦和南は下級生から正GKを務める金悠聖(3年)がこれに飛びついてビッグセーブ。すると浦和南は直後の41分、伊田が左サイドで仕掛けて右足を振り抜く。GKの手を弾いた強烈な一発はポストに当たったが、混戦からのこぼれ球を掛谷が右足シュートで決めて追加点とした。

掛谷は180cmの長身を生かしたポストプレーに加え、この日2ゴールの活躍。普段はS2リーグを主戦場とするFWは「率直にすごく嬉しいですし、1点目なんかは特に練習通りだったので、やってきたことができたのかなと思う。今日の結果は自信になりました」と笑顔を見せた。

まずは1点を返したい立教新座は後半開始から2枚を替え、CBでスタートした粟屋大智(2年)をトップ下に配置転換。途中出場のMF森岡玲央(1年)、MF山下絢斗(3年)が中心となり、後ろから丁寧に組み立て攻勢をかける。それでも浦和南は1対1の対応やクロスについても簡単には上げさせず粘り強い守備。後半は相手に1本もシュートを許さず、2-0で勝利した。

野崎正治監督は「もっともっとやってほしいんですけど、初戦としてはこんなものじゃないですか。(その中でも)前半に2点目が取れたというのは良かった。明日はトーナメントの雰囲気にも慣れてもう少しリラックスしてできるんじゃないですか。県大会は久々ですから」と話した。

浦和南は1月の支部予選3回戦で市立浦和に敗れ、新人戦、関東大会予選の県大会進出を逃した。DF橋本優吾(3年)主将は「本当に負けてすぐは立ち直るのが難しくて…。そこからいろいろやり方も変えたりしたんですけど、最終的には勝ちから逆算して何が一番いいのかというのを監督に言われて、徹底するところはしっかりチームで統一してやってきた。悔しい想いがあるので、ここでインターハイに出て、全国の強豪と戦って、選手権を迎えられたら」と力を込める。

また、この日は浦和南にとってトーナメントでは初の声出し応援解禁に(声出し応援自体は関東大会予選から解禁に)。「この代は(声出し応援は)やっていないじゃないですか。だから前日、前々日からOBを呼んで、一生懸命「ひとつになろう!」とやっていましたよ」と野崎監督も明かす。橋本は「ホームでたくさんの人が来てくれて。保護者の方もいっぱい来てくださって、OBの方も来てくださって、やっぱり一番大きかったのが南高のチームの応援だったんです。本当に出ているメンバーもすごい力になったと言っていて、その応援があって、やっぱり全員でチームひとつになって、チームが一丸になってできたのが一番大きかった」と感謝の言葉を忘れなかった。

石黒登(取材・文)

試合結果

浦和南 2-0 立教新座
2(前半)0
0(後半)0