献身性見せた深谷第一が2年ぶりの県で1勝 主将FW目﨑陸玖が1G1A含む全得点に絡む

令和5年度全国高校総体・県予選1回戦(3日、浦和南会場)。2年ぶりの県大会に臨んだ深谷第一は草加南と対戦し、主将のFW目﨑陸玖(3年)が全得点に絡む活躍で3-1で勝利した。

こだわったのは「献身性」だ。昨年度から指揮を執る湯浅純一監督は「うちは個の力がないので、チーム対して、「どれだけ自分が献身的にできるかだよ」と言って送り出したんですけど、選手が前向きに取り組んでくれた結果かなと思うので、そこに尽きるかなと思います」と振り返る。

立ち上がりは緊張感からかなかなか思うように展開できない時間帯もあったが、守備面でバランスを崩さず、チームとして狙いとする前線から献身的にプレッシャーをかけてのショートカウンターやピッチ幅を使った大きなアクションが出始めると、少しずつリズムを掴んでいった。

すると前半16分、敵陣右中間で獲得したFKを目﨑が左足のキックで流し込んで先制。39分には目﨑のアシストからMF上松光希(2年)が切り返しで1人外し、右足のシュートで決めて追加点とする。さらに後半11分には再び目﨑がエリア左を果敢に抜け出しシュート。これはGKに弾かれたが、こぼれ球を10番のMF井上晃佑(3年)が蹴り込んでその差を3点に広げた。

この日、目﨑は1ゴール、1アシストを含む、チームが記録した全3ゴールに絡む活躍。「正直、3点目とかも決めたいところでしたけど」と苦笑いし、自身の2ゴール目が奪えなかったことを悔やんだが、その中でも「70点くらいは自分でもいいかなと思っています」と及第点を出した。

一方、草加南は後半24分、FW手代木七海(3年)のシュートからの混戦をHTからピッチに立ったMF林閃汰(3年)が決めて1点を返すと、31分には手代木の直接FKが枠の上を捉えたが、ここはGK篠﨑大和(3年)がファインセーブ。後半は相手の圧力に対し、受ける時間も増えた深谷第一だが、しっかりと最少失点で守り切り、2年ぶりの県大会初戦を勝利で飾った。

「一個勝ってS1のチームとやろうということを合言葉にここまでやってきた。県のトップレベルを仕入れる機会をいただけたので、思い切ったプレーをみんながしてくれるといい」(監督)。

2回戦はS1所属の市立浦和と対戦。先制点を奪ったものの、逆転負けを喫したが、普段はなかなか体験できない強度の中のゲームで得るものも多かったはず。この経験を選手権に生かす。

石黒登(取材・文)

試合結果

草加南 1-3 深谷第一
0(前半)2
1(後半)1