白熱の所沢ダービーは所沢北が制す!粘り強く戦い、FW出身のCB水野谷晄が決勝弾

4月29日、令和5年度高校総体支部予選・1回戦が行われ、西部支部・所沢高会場第3試合は所沢北と所沢西の「所沢ダービー」に。白熱の試合は延長戦の末に所沢北が2-1で制した。

立ち上がりから粘り強く戦い、カウンターを狙った所沢北は前半41分、「後ろで多く回されていて、やっぱりあそこでボールが1回止まるというのはわかっていたので、取りどころを狙っていた」というMF高橋蒼大(3年)が相手のビルドアップをカットし、右足で決めて先制した。

所沢西はHT明けからMF川合優心(2年)を投入。前半同様ポゼッションしつつ、長身MFをポイントに裏へのボールも使いながら押し込む。相手の堅守もあり、なかなかゴールに結びつけることができていなかったが、終盤の後半44分、DF神杉翔愛(3年)が駆け上がってクロスを送り、これに走り込んだ10番で主将のMF川里奏磨(3年)が決めて土壇場で追いついた。

所沢西は延長から川合をCBに下げ、後ろの枚数を増やして守りの態勢へ。それでも所沢北は延長前半4分に再び勝ち越す。ゴールエリア左でMF新妻凌空(3年)がひとつ切り返してシュートを放つとこれは相手GKに弾かれたが、こぼれ球に頭で詰めたのはCB水野谷晄(3年)だ。

実は水野谷はもともと昨年までFWの選手。今年はチーム事情もあり、CBの一角を務めている。「(あそこで上がったのは)元FWの勘。もうここしかないっていう時に味方を信じて上がったら、運良く上がってきたのはあとは頭で入れるだけでした」(水野谷)。チャンスを嗅ぎ分けるFWの本能が得点に繋がった。これが決勝点となり、所沢北が白熱の所沢ダービーをものにした。

加藤清志監督は「あまり力のあるチームではないので、粘り強く対応するというのが今年の課題。守備でリズムを作ろうというのは言っていた部分だったので、良い形で奪えないというのはひとつの課題ですけど、0で抑えた80分に関しては評価してあげたい。ラスト5分で相手の圧力に負けてスペースを空けてしまったところはまだ甘さがあると思う。けれども、それ以外のところは1-0で進められたのは力なりにすごく立派なこと」と粘り強く戦ったチームを讃えた。

石黒登(取材・文)

試合結果

所沢西 1-2 所沢北
0(前半)1
1(後半)0
0(延前)1
0(延後)0