埼玉平成が初戦4発快勝! 勝利に結びつくうまさへ、「当たり前のことを当たり前に」

令和5年度関東高校サッカー大会県予選が15日に開幕。1回戦の好カードだった埼玉平成と大宮東の一戦は、埼玉平成が4-0で快勝した。埼玉平成は16日の2回戦で武蔵越生と対戦する。

埼玉平成は立ち上がりからショートパスやダイレクトプレーを交えながら大宮東に襲い掛かる。前半26分、DF落合楓(2年)が中盤でひとつ持ち出して、相手DFを引き付けて浮き球のスルーパス。これに抜け出した左SBの佐藤海(3年)が右足ダイレクトで流し込んで先制した。

「いろんな組み合わせだったり、出るタイミングだったり、前は結構日替わりだと思っている」(三島伸也コーチ)。後半は前線のユニットを総入れ替えした中で途中出場組も結果を残した。

3分、大きなサイドチェンジからFW伊藤楓斗(3年)のクロスをMF佐藤快琉(3年)が左足で突き刺して追加点。佐藤快はその3分後にもゴールを記録し、ドッピエッタを達成した。終盤には相手のクリアボールを拾ったFW小林昴(3年)が落ち着いて沈め、4-0で勝利した。

大宮東はCB佐藤大夢(3年)主将やGK藤井煌(3年)を中心に粘り強く耐えて1点差でHTへ。後半開始直後には10番のMF富田和樹(3年)が中盤からドリブルで運び、クロスにFW平野大地(3年)が飛び込んだが、わずかにボールには届かず。直後の連続失点が重く響いた。

この日指揮を執った三木コーチは「勝てて明日に繋げられたのは良かった。内容としても少しずつ良くなってきたかなという感じ。当たり前のことを当たり前にできるように。まだまだレベルは低いんですけど、少しずつ当たり前のことがちゃんとできるようになってきた」と振り返る。

浦田尚希監督体制になり、今年で節目の10年目を迎える。昨年度は流通経済大経由でDF佐々木旭がJ1川崎フロンターレに入団するなど、埼玉の技巧派集団としての地位を確立してきた。

「少しずつ差別化じゃないですけど、平成を選んで入ってくる子たちがうまくなりたい子や上手だけど、まだ試合で活躍できていない子たちというのが多く入ってきてくれるのかなと思っていて、その子たちに勝利に結びつくうまさじゃないですけど、身体のボディコントロールだったりで一泡吹かせるじゃないですけど、そういうところはやっていて。浦田先生が赴任されて今年で10年目になるんですけど、少しずついろんなところが整理されてきたとは話しています」

今年も「ボール扱いが好きな子が多い」。そのストロングを生かすための「当たり前のことを当たり前にできるように」。サッカーの原理原則を理解し、ゲームで発揮できる力に高めていく。

石黒登(取材・文)

試合結果

大宮東 0-4 埼玉平成
0(前半)1
0(後半)3