武蔵越生が成徳深谷をシャットアウト!相手のストロングを消し、セットプレーで一刺し

「令和4年度高校サッカー新人大会・県大会」準決勝(18日/昌平高)。武蔵越生はセットプレーから先制すると、後半は押し込まれながらも成徳深谷をシャットアップし1-0で勝利した。

試合後に敵将が語った「何もできなかったし、させてもらえなかった」という一言がすべてだろう。武蔵越生は成徳深谷のストロングを徹底的に消し、相手に自分たちのプレーをさせなかった。

武蔵越生は前半、身体の強さのあるFW大沢楽(2年)やFW吉田陸斗(2年)が前進し、相手のラインを下げさせ、コーナーキックやスローインで迫るなど、良いリズムでゲームを進める。

すると32分、MF森大地(2年)の右CKが抜けたところをファーサイドで待ち構えていた吉田は一度コントロールし、左足を一閃。低くサイドネットに突き刺すイメージで放たれたシュートは相手DFの股を抜いてゴールイン。本人も「気持ちよかったです」という一発で先制した。

ハーフタイムには「良い意味で想定外」という言葉も聞こえたが、やるべきことは変わらない。「1-0だけれども守備から入って、少ないチャンスをできるだけ生かしていこうと、その作業自体は変わらないよと。あとはどれだけ40分間気持ちを切らさずにできるか」(井上精二監督)

後半は相手に押し込まれる形となったが、「相手の11番(秋本光瑛)と15番(平井心瑛)は去年から出ているというのもあって、とてもうまいというのは知っていた。そこの対応だけは先輩たちからも聞いていた」というDF松本航(2年)主将、DF鈴木彪真(2年)、DF貴島光珀(2年)、DF丸山来真(1年)の4バックが落ち着いた対応を見せ、決定的な場面は作らせない。

187cmの長身が自慢の鈴木は「前半から結構相手の15番(平井)とはやりあっていて、自分もそんなに負けていないと思ったので、そこは自信を持って1試合やれた」と胸を張る。松本はほかの3枚がチャレンジした後のカバーリングを徹底。アンカーの佐藤祥太(2年)、GK田中然(2年)も声を掛け合いながら、この日は被シュート3本に抑え、3試合連続の失点0で終えた。

井上監督は「決してうまさとか派手さはないですけど、地道にコツコツやれたんじゃないかと思う」とし、それぞれが与えられたミッションを確実にこなしたバックラインの選手たちをたたえた。

一方、成徳深谷は今季のストロングであるFW秋本光瑛、FW平井心瑛(ともに2年)の2枚を封じられ沈黙。「この時期なので現在のスタイルでどこまで通用するかというのは試せたと思う。ただ、そこだけでは相手の守備は崩せないなというのは、はっきりした」(為谷洋介監督)。対策された時の二の手、三の手は次なるテーマ。リーグ戦、関東予選に向け、新たなフェーズに進む。

石黒登(取材・文)

試合結果

武蔵越生 1-0 成徳深谷
1(前半)0
0(後半)0