昌平Ⅱのプリンス参入ならず、それでもチャレンジした結果に田尻主将「悔いはない」 チーム一丸最後の選手権へ
後半は自分たちのサッカーを示し最後まで戦い続けたが、目標には届かなかった。「高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2022関東 2部リーグ参入戦」の敗者復活トーナメント1回戦が19日に行われ、昌平Ⅱは0-3で八千代(千葉)に敗れ、プリンス参入とはならなかった。
昌平Ⅱは前半のうちに退場者を出す苦しい展開に。ひとり少ない状況や八千代の堅守もありなかなかアタッキングサードに迫ることができず、前半のシュートはMF西嶋大翔(2年)の1本に終わった。すると後半は相手の鋭いカウンターから3失点。日野口廉コーチは「しんどかったですね。トップチームの1枚少ない状況でも立て直す力を近場で見ていて、良い感じで多分持ってこられるなという後半の入りをしたら、自分たちの弱さであるカウンターでああやって失点を食らってしまう。サッカーって簡単じゃないなと、改めて思いました」と言って唇を噛んだ。
0-3の敗戦。数字だけ見れば完敗だ。それでも何もできずに終わったかと言えばそうではない。後半は引かずに前から強気にプレスをかけ、昌平らしい攻撃で押し込むシーンも多く見られた。
HT明けから10番のFW伊藤風河(3年)を投入。3分にはその伊藤が中盤からドリブルで前進し、最後はMF田口昊輝(2年)がゴールに流し込んだが、これはオフサイドの判定に。すると11分、カウンターから決められ、先行を許した。勝負にたらればは禁句だが、先制点が鍵を握ったゲームだっただけにこれが入っていれば、ゲームの流れはまた違ったかもしれない。その後も途中出場のMF中野立望(2年)が後半最多の4本のシュートを放つなど、果敢に攻めた。
チャレンジした結果の0-3。昌平ⅡキャプテンのMF田尻匡平(3年)は「10対11でも引かずに自分たちらしく、前から守備をかけてボール取りに行ってというチャレンジした結果が0-3という結果になってしまったんですけど、悔いはないです。本当に自分たちらしさを最後まで貫けたのは良かったのかなと思います」と、悔しさの中にやりきった表情をうかがわせた。
「みんなとプリンスに上げたかったですけど、でもこういう3年生の想いとかは後輩もわかってくれていると思うし、来年は後輩たちがもっと力をつけてプリンスに上げてくれると思うのでそこは応援したい。残り少ない期間、まだ活動もあるので、そこは自分たちが後輩にどんどん伝えていったり、発信していって、もっとさらに日本一を取る集団としての強化をしていきたい」
昌平Ⅱでの活動は幕を閉じたが、チームとしては最後に最大の目標である選手権を残している。日野口コーチも「大きなくくりでやるのは最後の試合でしたけど、ここからまた何人かメンバーを外れても、応援団ともに日本一を目指すというのは変わりないというのは伝えました」と話す。
昌平Ⅱからもチームを牽引した主将の田尻匡、GK葛西天河(3年)、FW上野旭陽(3年)の寮生トリオ、中盤で運ぶ力を見せていたMF前田大樹(2年)と田口、甲斐田陽大(3年)、田尻優海(2年)のCBコンビ、そして今年激戦区のFWで違う色を出せる伊藤と平叶大(2年)らがメンバー入り。また、メンバーを外れた選手たちも、最後までチームを全力でサポートする。田尻匡は「一緒に戦ってきて、入ってない選手の想いを背負ってプレーしていきたい」とした。
プレミア昇格を決めたトップチームとのダブル昇格という夢は叶わなかった。それでも最後に全員で目指してきた選手権での日本一へ。昌平はチーム一丸となり、ビッグタイトルに向かう。
石黒登(取材・文)
試合結果
八千代 3-0 昌平Ⅱ
0(前半)0
3(後半)0