尾間木中の強力アタックを支える“裏方”の存在「チームとしてやってほしいことをやるから、他のやつが目立てる」/新人戦準決勝
この日は準々決勝とのダブルヘッダー。芝疲れによる、疲労度もあった中で「嫌な感じもあった」という。その中で「やっぱり最初に得点がポンポンと入ったのが、あれが大きい」(髙橋淳監督)。「最初から行く」というのが今年の尾間木中のテーマ。この試合も動いたのは前半だった。
12分、PA前の混戦の場面。「よくあるのはフリーの人を探して、ボールを動かしたくなってしまうんですけど、あそこでそれでも入っていく」(監督)のが尾間木流。主将のMF加藤大瑚(2年)は持ち味の「ボールの保持」を生かしスルスルと抜けていき、最後は右足で決め、先制した。
さらにその1分後には追加点。GK佐々木速(2年)のゴールキックからMF矢口友翔(2年)が右サイドを抜け出して抉り、マイナスクロスをFW腰原煌樹(2年)が沈めて2-0とした。
後半は逆に攻め返される展開となったものの、しっかり0でシャットアップ。準々決勝の川口西中戦は後半に2失点していただけに「慌ただしいところは何個かありましたけど、数字上はそうやって見えたので、午前中の試合との比較としても、アップしてくれてよかった」と話した。
またこのゲームでは髙橋監督は、“裏方”の2選手を評価。「まず6番(矢口大翔)はやっぱり気が利いている。もっともっと気づかないのが11番の小澤(陸)。彼が一番運動量的には心配があるんですけど、いる時間は全部フルスロットルでポジションを取るので、彼がやるから16(髙島翔)が飛び出せる。大きく目立つわけじゃないし、身体も小さいけど、チームの中ではやってほしいことを常にやって頑張っている選手。技術部の人たちが評価する選手には入らないのかもしれないけれども、チームとしてやってほしいことをやるから、他のやつが目立てる」。チームスタイル的に攻撃的な選手が目立つが、彼らのような縁の下の力持ちがチームを支えている。
一方、19年ぶりの4強に進んだ千間台中は、今大会初失点となった前半の連続点が重く響いた。後半はショートパスを繋ぎながら押し込み、準々決勝の坂戸若宮中戦でも2ゴールに絡んだMF蓮沼倖長(2年)が積極的に右足を振り抜いていったが、ネットを揺らすことはできなかった。
石黒登(取材・文)
試合結果
さいたま尾間木 2-0 越谷千間台
2(前半)0
0(後半)0