チャレンジャーとしての姿勢求めた細田学園が浦和西との死闘を制し、4年連続の8強入り! 「しぶとさは例年以上」、今年こそは壁を破ってその先へ

第101回全国高校サッカー選手権県予選3回戦。細田学園と浦和西の一戦は互いに譲らず1-1でPK戦へ。サドンデスに及んだ戦いを制した細田学園が4年連続となる8強進出を決めた。

両チームは昨年も16強で激突。その時は細田学園が先制、後半に浦和西が追いつき、延長戦へ。延長後半9分、FW金子弘輝(武蔵大1年)の劇的決勝弾で細田学園が8強入りを果たした。

今年もまさに死闘と言える戦いとなった。先制したのは細田学園だった。「先手必勝というか、ああいうところは狙っていた。FWの2人についてはもう前半で潰れてこいと」(上田健爾監督)。

攻撃の核である10番MF小川愛斗(3年)が起点となり、滝澤夏惟(3年)、加藤大翔(3年)のFW2枚が立ち上がりからフルスロットルで仕掛ける。すると前半6分、MF田端優作(3年)のパスに加藤が詰めた。加藤は今大会初出場で初ゴール。17分には滝澤が前からプレスをかけてカットしゴールに迫ったが、ここは浦和西の守護神・宇都宮良偉(3年)が立ち塞がった。

一方、昨年のリベンジに燃える浦和西も左SHの染谷颯人(3年)がスピード感のある突破で存在感。33分には染谷が左サイドを抉ってクロス。こぼれ球をMF溝口嵩人(3年)が狙ったシュートがわずかに上に。42分には再び染谷が抜け出し、クロスからMF武田倖太朗(3年)が決定機を迎えたが、細田学園DF鬼丸駿(3年)が身体を張って、このシュートに食らいついた。

後半、浦和西は十八番のセットプレーの回数を増やし、ゴールに迫る。すると同点弾はやはりセットプレーから生まれた。20分過ぎから連続してFK、CKを獲得すると、直前のDF金子瑞希(3年)、FW柳澤優斗(3年)のシュートは細田学園GK浅倉達也(3年)の好守に防がれたが、23分、MF片野駿(3年)の左CKをニアサイドでDF米田新二郎(3年)が合わせた。

その後も浦和西のセットボール攻勢に対し、細田学園にとっては苦しい時間が続いたが、浅倉を中心にこの時間帯を凌ぐと36分に連続アタックからPKを獲得。しかし、MF樋口颯太(3年)の左足のキックは2回戦の浦和東戦でも2本のストップを決めていた宇都宮が阻止してみせる。

逆に浦和西は43分、金子のFKがゴール左上を捉えたが、今度は浅倉が好守で防いでみせた。

試合は延長戦でも決着はつかず、PK戦へともつれ込む。互いに3本目まで成功させた中で先行・細田学園のキックを宇都宮がストップ。しかし、決めれば勝利の5本目を決めることができず、サドンデスに突入した。勝負が決まったのは6本目だ。細田学園は先行のキッカーがきっちり決めると、続く相手のキックを浅倉が右に飛んでセーブし、100分を超える“死闘”を締めくくった。

激戦を終え、上田監督は「拮抗したゲームになるなというふうに思っていて、その通りになった。相手はリベンジしてくるというところもあると思いますけど、この戦いは我々が「本当にチャレンジャーという心構えを持っていけるかどうか」というのが大事だと思っていた。何か勝者のように振る舞うというのではなくて、いかにこのゲームをチャレンジャーとして戦うかというのは先週から言い続けてきていたことなので、選手がその戦い方をしてくれたなと、よく粘り強くやってくれたと思います」とあくまでもチャレンジャーとして戦い抜いた選手たちを労った。

細田学園は上田監督が就任し、2016年の本格強化から7年で4年連続のベスト8入り。「やっぱり年間を通じて厳しい強度の中で、このエイトを破るための強度の中でやってきたというところでは、しぶとさみたいなところは例年以上にあると思っている。そのしぶとさは準々決勝のところでも見せていきたい」。準々決勝の相手は埼玉栄。今年こそは壁を突破してその先を目指す。

石黒登(取材・文)

試合結果

細田学園 1(5PK4)1 浦和西
1(前半)0
0(後半)1
0(延前)0
0(延後)0
5(PK)4