“スーパーサブ”FW今野達也が出場1分で決勝弾! 武蔵越生が3大会連続のベスト8入り

第101回全国高校サッカー選手権県予選の3回戦が22日に行われ、武蔵越生と武南が対戦。しっかりと守り、後半取るべきところで取った武蔵越生が3大会連続のベスト8入りを決めた。

決して派手な戦い方ではない。それでも、それぞれが与えられたポジション、役割を完遂し強豪・武南に勝利。武蔵越生・井上精二監督は「やっぱり選手たちが切れずに、最後まで自分たちの持ち味である粘り強さというのは出してくれたんじゃないかなと思っています」と選手をねぎらった。

前半から武南のアタックに遭ったが、「武南が前半良いのはわかっていたので、前半はしっかりと耐えろということで、いつもながらですけど、(点を)取れなくても取られないで帰ってこいというふうには言っていた」。相手のストロングを消すべく、中盤をギュッと締めながらしっかりと守備。最後の部分では主将のCB 沼田大知(3年)を中心とした守りで前半を0で抑えた。

すると後半に入り、カードを切る。6分、攻撃のスイッチを入れるMF安西歩夢(3年)とFW今野達也(3年)の2枚を投入。これがズバリとハマった。その1分後、武蔵越生はDF大島暖(3年)のスローインを沼田がすらし、これを拾った今野が鋭く左足を一閃しネットを揺らした。リーグ前期の試合でも途中出場から決勝弾を奪っていた“武南キラー”の今野の一発で先制した。

13分には武南の10番MF松原史季(3年)の直接FKが枠を捉えたが、「あのくらいの距離からだったら、あいつは多分失点しない」と指揮官も絶大な信頼を置く守護神のGK関根拓郎(3年)が横っ飛びでセーブ。終盤は同点弾を狙う武南が前線に数枚残してきた中でも、沼田を中心にチャレンジ&カバーを徹底し、その後は決定機らしい決定機は許さず。ウノゼロ勝利で、準優勝を飾った一昨年、優勝候補・昌平を下した昨年大会に続く、3大会連続の8強進出を決めた。

一方、武南は選手権直前のリーグ戦で負傷したMF山本昇汰(3年)がメンバー外に。また、内野慎一郎監督が「外せない選手」と話していたMF森田颯(3年)もベンチを外れた中でMF山田詩太(3年)、MF重信有佑(3年)のダブルボランチ、トップ下に松原という布陣で臨んだ。

前半26分にはFW櫻井敬太(3年)が左サイドを抜け出してエリア内に侵入。前に出る名手・関根の脇を抜いたシュートが惜しくも枠外に。29分にはショートパスを繋ぎながらサイドを変え、最後は再び櫻井が右足を振り抜いたシュートがわずかにゴール上に外れた。後半は前述の松原のFKなどもあったが、終盤は焦りからミスも増え、ゴールを奪いきることはできなかった。

石黒登(取材・文)

試合結果

武蔵越生 1-0 武南
0(前半)0
1(後半)0