大宮VENTUS U15が盤石の試合運びでV! 理解度上がり「個々が力を発揮できるように」

第27回埼玉県女子ユース(U-15)サッカー大会・関東大会予選の最終日が1日、熊谷スポーツ文化公園陸上競技場で行われ、決勝は大宮アルディージャVENTUS U15とクラブ与野レディースが対戦。前後半に2点ずつを奪った大宮VENTUSが4-0で勝利し、タイトルを掴み取った。

GK寺本唯香、MF茂木未宙の『国体組』も出場した大宮VENTUSが盤石の試合運びを見せた。

序盤から押し込むと「相手はしっかりゴール前に人数かけて守ってくる。センタリングももちろんですけども、引いた相手に対してミドルシュートが大事になってくるというのは言っていた」(小林凛監督)。前半18分、攻撃的SBの大井みのりがエリア左から右足を振り抜いて先制。21分には今大会初先発のMF渡部夏菜がこちらも同じような位置からのミドルで追加点を奪った。

2-0で折り返した後半も攻め手を緩めず。5分には先制点の大井がクロスからこの日2点目をゲット。その後も茂木の鋭いドリブルやFW福島花菜が積極的に裏に抜けてゴールを狙う姿勢を見せる。31分には途中出場のMF鎌形姫沙にもゴールが生まれるなど、4-0で勝利した。

「ちょっと難しい時間帯の中でも、選手が自分の個人の特徴を発揮して、点を取ってくれたりとか、流れを戻してくれたりとかというシーンが出てきた。チームとしてあまり流れが良くない時に、個人で流れを変えてくれる選手が出てきたのは良かった」と小林監督はゲームを振り返る。

中盤では「シーズンを通してよく成長してくれている」と指揮官がいうボランチの渡辺夕那が、攻守に気の利いたプレーで流れを渡さなかったことも大きかった。渡辺は「カウンターが本当に怖かったので、そこは相手がどこに出しそうなのかを考えて、ちゃんとフォローできた」と話す。

大宮アルディージャと提携しているFC深谷で2012年からコーチを務め、今年4月に大宮VENTUS U-15の監督となった小林監督は「オーガナイズのある中で主導権を握りながらサッカーをするというのがテーマのもと、そのオーガナイズの中で個々が力を発揮できるように、一番良いポジションだったり、一番良いタイミングであったりというのを選手本人も理解してきたのもありますし、それを生かすために周りのこともしっかり理解できてきて、個人個人の特徴が生きるようになった」と組織としての理解度も上がり、個々が生きるようになったと語る。

一戦一戦を成長に繋げながら、さらに高いステージへ。関東大会に向け、キャプテンの茂木は「関東リーグの相手にきちんと勝って、全国大会に行って、次に繋げる」と強い気持ちを示した。

一方、クラブ与野レディースも、ボールを奪った場面ではしっかりと繋ぎながら前に出ていくスタイルを見せた。今年の代が中1の12月からは男子チームを指揮する中森翔太監督が女子チームも見るように。指揮官は「リーグ戦は1―0で勝っているんですけど、そのゲームよりもある意味成果は出ている。0-4というスコアで見ちゃうと、どうしてもやっぱりマイナスのイメージ持たれちゃうかもしれないんですけど、でもあの1―0のゲームの方がよっぽどボール持てていない。そういう意味ではトレーニングでの成果は出てきているのかというのはある」と話す。

今夏は男子が関東大会を突破し、初の全国で8強入りを果たすなど「クラブ与野旋風」を巻き起こした。主将のDF星春那は「同じクラブ与野なので、私たちも頑張らなきゃいけない。関東に行けたので、次は全国を目指して頑張りたい」と男子に続き、旋風を巻き起こすことを誓った。

石黒登(取材・文)

試合結果

大宮アルディージャVENTUS U15 4-0 クラブ与野レディース
2(前半)0
2(後半)0