「同じ相手に2度負けない」。宿敵にリベンジの浦和レッズJrが見せた『みんなが怖いチーム』の片鱗
「同じ相手に2度負けないというのは言っていましたし、前回負けた悔しさはここでしか表現出来ないというのも伝えて、勝てたことは良かったです」と金生谷仁監督は試合を振り返る。
決勝は前週の関東U-12サッカー大会・県予選に続き、2週連続の“さいたまダービー”となった中で浦和レッズJrは4-0で宿敵・大宮アルディージャU12を下し、見事リベンジを果たした。
関東U-12では前半に守備ラインのミスなどもあり2失点。HT前に松下蒼空(5年)が決めると、後半は福田誠人(6年)を投入して一気にペースアップを図る。しかし、ゲームを落ち尽かせにきた相手に対し、ギアを上げきれず。後半16分に野口蒼太(6年)を起点に連続して速いパスを繋ぎ、最後は福田がキーパーを交わしてゴールに流し込んだが、2-4で敗れていた。
金生谷監督は「いま個でいうとマコ(福田)がひとつ相手に嫌がられる存在だとは思う。ただマコだけじゃなくて、違う選手も点を取れるようになってくれないといけない。みんなが点を取れるチームというのはやっぱり強いと思うのでそこを目指していく」とした後、こう続けていた。
「欠点がないチームというか、みんなが怖い選手というか。それぞれがちゃんと武器があって、色があるというか、そういうふうにはしたいと思っている。課題を克服することはもちろん大事ですけど、それよりもその選手の持っている武器を伸ばして最後出来ればいいなと思います」
この日はその言葉をしっかりと体現。決勝の4得点は野口、吉野登馬(6年)、印出晴(6年)、福田とすべて違うプレーヤー。トップの執行悠斗(6年)も的確なポストワークで攻撃を引き出した。また、指揮官が「超攻撃的」と評するSBの中村純之介(6年)は準決勝でチームの2点目を決めたほか、決勝でもクロスとパンチのあるシュートで実質2点に絡むなど特徴を見せた。
「(これを怖さに変えていくために)個とグループの両面を上げていく。グループだったらコンビネーションだし、個だったら外したり、フェイントだったり、個人で出来ることを増やしていく。この2つがもっと良くなっていけば、さらに怖くなっていくかなと思っています」(監督)
この夏は個とグループに磨きをかけ、「みんなが怖いチーム」となって冬は埼玉の頂点を狙う。
石黒登(取材・文)
試合結果
大宮アルディージャU12 0-4 浦和レッドダイヤモンズジュニア
0(前半)3
0(後半)1