技術力を見せた埼玉平成 2回戦敗退も選手権までに技術プラスαつけて「勝てるチームに」
令和4年度全国高校総体県予選・1回戦が4日に行われ、埼玉平成は1-0で国際学院と下した。
序盤は国際学院が「強さ」を発揮。球際に鋭く寄せてボールを奪い、FW曹喜琉(3年)をポイントに攻撃を仕掛ける。その中で9分にはMF内田康哉(2年)が決定的なシーンを迎え、17分、28分には曹が抜け出しからゴールに迫ったが、埼玉平成もDF三吉修誠(3年)、DF清水聖那(2年)のCBコンビ、GK田村仁乃(3年)が集中した守りを見せ、ゴールは許さない。
徐々に相手のプレスにも慣れた埼玉平成は中盤以降、しっかりと空いている選手を見つけながらパスを回し、ドリブルを用いて相手をいなしながら前進する場面を増やす。前半29分には10番MF相馬陸斗(3年)が決定機を作った。すると前半31分、敵陣右中間でFKを獲得。三吉の左足から放たれたキックはGKの頭上を越えてゴールネットに突き刺さり、先制点となった。
埼玉平成は前半38分にも主将のMF廣瀬裕翔(3年)のFKがクロスバーに当たる場面も。国際学院は40分にこの試合最大の決定機。MF亀山優雅(3年)がゴールエリア前でボールを収め、そこからFW島尾拓弥(3年)が中央に横パスを入れると、オーバーラップしてきたDF白石龍也(3年)がフリーで合わせたが、シュートは惜しくも枠を捉えることが出来なかった。
後半も埼玉平成は各々が技術を発揮し、右SBの三国海(2年)がテクニカルなドリブルで2枚、3枚と交わして前進。ワンタッチパスを連続して繋げてゴールに迫る。21分にはFW三木響介(2年)が運び出してスルーパス。FW古川頼杏(3年)が放ったシュートがポストを強襲した。
国際学院も後半10分にDF齋藤莉来(3年)が、12分には島尾が前線で奪ってシュートまで繋げたほか、13分から途中出場した10番のFW片山星空(3年)が2本のシュートを放つなど、HT明けは相手を上回る5本のシュートを記録したが、最後までゴールネットを揺らすには至らず。同カードだった昨年のインターハイ予選1回戦に続き、1-0で埼玉平成が勝利を飾った。
流通経済大を経て、J1川崎で活躍するDF佐々木旭を輩出したチームは今年も技巧派が揃う。練習では「しっかりボールが止まらないと繋げない。基本はやっぱり止める」と浦田尚希監督がいうように止める、蹴るの「止める」の部分を意識。また、「やっぱり身体の使い方というところで、それはずっと一貫してやっている。うちは基本的には筋トレはしないので、ケアも含めて、身体の使い方をもっともっとこだわってやってくれるといい」と技術プラスαにもこだわる。
その上で目指すのは技術を発揮しつつ「勝てるチーム」だ。翌日の2回戦では大宮南に0-2で敗退。1回戦の後、浦田監督は「やっぱり勝てるようにはなってほしい。いままではどうしてもなかなか勝ちきれなかったところがある。セットプレーの部分だとか、ディフェンスの部分だとか、そういった勝つために必要なこともコーチがやってくれていて、徐々に良くはなっている。やっぱり技術とか攻撃だけだと勝てないので。そのためにはやっていかないと」と話していた。
選手権まであと4ヶ月。埼玉平成は「技術プラスα」を追求し、上位に行くための力をつける。
石黒登(取材・文)
試合結果
埼玉平成 1-0 国際学院
1(前半)0
0(後半)0