S2B対決は本庄第一に軍配、2回戦も突破し16強進出! 「真面目さ」をポジティブに繋げられるかが鍵に

令和4年度全国高校総体県予選・1回戦が4日に行われ、本庄第一は1-0で春日部と下した。

両校はともに今季県2部のS2Bリーグに所属。まだ対戦はなかったものの、順位も近く(本庄第一が8位、春日部が9位)、双方ともに「絶対に負けたくない」という強い想いが感じられた。

春日部は「Sリーグでもひとりふたりは剥がせる」と柳田一貴監督が中心に据える10番MF中村蒼弥(3年)が中盤底からゲームメイク。前半16分、セットプレーからFW渡邊陸(3年)がヘディングでゴールに迫る。その後も中村が起点となり、21分、28分とシュートまで繋げた。

本庄第一は前半31分、サイド攻撃からMF松本束皐(3年)が決定機を迎えたが、クロスがやや足下に入ってしまい、ボールを捉えきれず。40分にはワンタッチパスを繋ぎ、最後はFW吉田準平(2年)が右足で狙っていったが、シュートは春日部GK山根煌(3年)の胸に納まった。

スコアレスの前半を終え、勝負に出た春日部はHT明けからキーマンの中村をトップへ配置換えし、ゴールを取りに行く。後半6分には前で奪い、中村のスルーパスから渡邊がエリア内でフリーの状態で受けたが、ここは本庄第一DF増岡啓人(3年)がなんとか戻ってピンチを摘んだ。

すると本庄第一は後半10分、右サイドでボールを持った主将のMF小倉颯太(3年)が仕掛け、クロスで相手のハンドを誘いPK奪取に成功。自らPKスポットに立つと、GKと逆をついて左に決めて大きくガッツポーズした。結局、この1点が決勝点となり、本庄第一が勝利を収めた。

初戦突破を果たしたが、内容は不満の残るものに。大山真司監督は「チームとして指針を出したものが出来ない。悪い子たちではないんですけど、真面目過ぎてうまくいかず、ぶつかって崩れるケースが多かった」と話す。この日は高い位置からプレスをかけ、オフェンスに関してはテンポを上げて、幅を見ながらプレーするプランだったが、プレスに行けない場面も多く、またパスもトラップしてしまいダイレクトプレーが出ず、逆サイドを見たようなプレーも少なかった。

昨年は足の速い選手やフィジカルの強い選手、ロングキックの得意な選手など、「個性が強い」選手が各ポジションにいた。今年は昨年よりテクニカルの水準は少し高いというが、個性という面では現時点でやや劣る部分もある。それだけに「身体を張って、足を動かして、ぶつかって、粘り強くしぶとくやって、より自分たちが共有しやすいように、テンポアップしながら、広いスペースに展開していくというのが、今年のスタイルになってくるのかなと」と大山監督はいう。

それだけにチームの特色のひとつである「真面目さ」がどう生きてくるか。前半はその真面目さがネガティブな方に向かってしまったが、ポジティブに繋げることが出来れば逆にそれは力となる。終盤は左SBの坂上倖(3年)やCBの山田奏斗(3年)がアグレッシブにチャレンジするような守備も出ていただけに、それを前半から出すことが出来るかが今後の鍵になりそうだ。

本庄第一は2回戦でふじみ野を2-0で倒し、ベスト16に進出。3回戦では武蔵越生と激突する。「真面目さ」をポジティブに繋げ、関東予選4強で現在S1首位の強豪を相手に金星を狙う。

石黒登(取材・文)

試合結果

本庄第一 1-0 春日部
0(前半)0
1(後半)0