“浦和東らしくなかった”チームはこの1年で大きく成長。「もう少し彼らと一緒にやりたかった」

3年ぶりの4強を狙った浦和東は準々決勝で浦和南に敗退。平尾信之監督は勝負どころで決めきった浦和南の強さを認めつつ、「いまの浦和東でもっと対抗したかった」と悔しさを滲ませた。

立ち上がりは相手のストロングに負けないという姿勢を見せるためにあえて「蹴り合い」を選択。6、7分を過ぎたところでいつもの繋ぐスタイルに戻す指示がベンチからは出ていたが、このカードゆえの緊張感なのか、相手の勢いに呑まれたのか、前半は自分たちの戦いを出来なかった。

それでも後半は交代カードを切って勝負に出る。怪我でスタメンを外れたMF三浦祥(3年)、「爆発力がある」FW豊田春斗(3年)を投入。スタメンのFW前原健人(3年)、MF櫻井龍星(3年)に、10番MF紀武瑠(3年)が絡み、14分にはゴール前でラッシュをかけ、19分には櫻井が右足で狙うなど、“らしさ”を見せる場面も。「後半は1点取れば流れがガラッと変わるような攻撃が出来ていた」(監督)が、ここで決めきることが出来ず。逆に2点を失って敗れた。

今年は関東予選でまさかの1回戦敗退と苦いスタートだったが、自分たちを見つめ直したインターハイ予選では関東覇者・西武台を倒す金星を飾った。「本当にこのチームって、浦和東らしくないチームだったんです。それが関東予選であのような結果になって、そのめちゃめちゃだったチームが1年間を通して、(インターハイ予選の)西武台戦で良い思いをしたり、夏にまた1回チームを壊した時期もあったりして、そういった中で練習の雰囲気とか、スタート、サブ関係なく雰囲気とか含めて、最後本当にグーッと良いチームになってきたので、そこは子供たちの成長は、サッカー選手としてもそうですし、人間的にもすごく成長してくれたので、本当に最後よくやってくれたなと」。それだけに「もう少し彼らと一緒にやりたかった」と指揮官は想いをこぼした。

石黒登(取材・文)