明日開幕する「第99回高校サッカー選手権大会」。埼玉県代表は２年ぶり３度目の出場を果たす昌平高校が初の日本一を狙うが、ここでは県外に渡った埼玉プレーヤーたちを紹介する。

Aブロック
「山梨学院、鹿島学園の屋台骨を支えるのは埼玉勢」
昌平と3回戦で当たる可能性のある学法石川の攻守の要は草加中出身のMF衣川佳佑だ。運動量に加え攻撃力もあり、予選決勝の聖光学園戦ではチームを勢いづかせる先制弾を奪った。

また同ブロックでは山梨学院、鹿島学園も多くの埼玉出身選手がいるチームだ。山梨学院はDF板倉健太（CAアレグレ）、DF鈴木剛（クラブ与野）、MF石川隼大（グランデFC）、MF新井爽太（FC深谷）に加えて、守護神の熊倉匠（FC東京U-15深川）も埼玉県の生まれ。鹿島学園はキャプテンも務める長身DF遠藤聖矢（CAアレグレ）、小西慶太郎（坂戸ディプロマッツFC）と大澤昌也（大宮アルディージャU15）のダブルボランチと屋台骨を埼玉勢が支えている。

今季FWからCBにコンバートされ、カバーリング能力の高さなどを開花させた米子北DF鈴木慎之介は大宮アルディージャU15の出身だ。

Bブロック
「仙台育英が最大勢力。強豪校の10番を背負う2人の埼玉勢」
Bブロックの最大勢力は仙台育英の11人で今大会県外では最多の埼玉勢在籍チームとなった。レギュラー格で見てもGK酒井樹（クラブ与野）をはじめ、4バックも小沢琉斗（クラブ与野）、大塚俊樹（グランデFC）、安藤豪（FCアーザス）と4人中3人が埼玉勢。前回大会で途中出場からゴールも奪っているFW吉田健太（クラブ与野）は今年エースNo.10を背負って臨む。

またもうひとり強豪校の10番を背負う選手がいる。昨年全国4強の帝京長岡の10番はACアスミ出身のFW石原波輝。プロ入りした晴山岬がつけた番号を継承するプレッシャーもあった中で県予選を勝ち抜き3連覇に貢献した。2トップを組むFW葛岡孝大は戸塚西中の出身だ。

市立船橋の左SB木内拓海（FC KASUKABE）や佐賀東の守備の要DF岡部羽弥（ナシオナル）、関東第一の中盤で安定感のあるプレーを見せる2年生MF藤井日向（CAアレグレ）も注目だ。

Cブロック
「3回戦でレッズJr対決となるか」
毎年埼玉勢も多い矢板中央は5人がメンバー入り。スタメンでは大宮西カリオカFC出身のファイター、大畑凜生がボランチの位置に入る。今年桐光学園との激闘を制し、3年ぶりに選手権に帰ってきた桐蔭学園のMF本多鼓瑚（FCトッカーノ）も生まれは埼玉県。ちなみに大畑と本多は浦和レッズジュニア時代の同期。2人がぶつかるとなればベスト16での対戦となる。

Dブロック
「昨年の雪辱を狙う青森山田DF内田陽介」
Dブロックの注目はやはり青森山田のDF内田陽介（クマガヤSC）だろう。小学校時代に体操をやっていた肩周りの柔らかさから来るロングスローと対人の強さを武器に昨年は高円宮杯制覇にも貢献。選手権では2冠を狙ったが、決勝で静岡学園に破れた。今年度は特別編成のスーパープリンスリーグ東北でも圧倒的な力を見せV。昨年の雪辱を果たすべく燃えているはずだ。

初芝橋本GK藤澤周弥（坂戸ディプロマッツFC）、また今年実に29年ぶりに選手権全国大会の扉を開けた堀越のMF宇田川瑛琉（東京ヴェルディJrユース）も埼玉出身プレーヤーだ。

石黒登（取材・文）

埼玉出身プレイヤーリスト