高校サッカー選手権で活躍する埼玉県出身プレイヤー

第98回高校サッカー選手権大会が開幕した。2回戦からは2大会ぶり3度目の出場となる埼玉県代表の昌平高校が登場するが、ここでは県外に渡った埼玉プレーヤーたちを紹介する。

國學院久我山のMF大窟陽平

王者・青森山田のSB内田はロングスローも必見、國學院久我山の技巧派MF大窟も注目

Aブロック
昌平と同じAブロックにも注目の埼玉プレーヤーがいる。大会連覇を狙う青森山田の右サイドバックはクマガヤSC出身の内田陽介だ。本人も「びっくりだった」という新人戦で抜擢されると長所の「1対1の対人の守備」で台頭。王者・青森山田の中でも欠かせない存在となった。

また内田のもうひとつの武器がロングスロー。「ロングスローを投げ始めたのは中1の冬か中2の春くらい。もともと結構奥まで飛んでいたので、投げてみるかと言われてそこから始めました」。肩の可動域の広さは幼稚園から小学校6年生までやっていた「体操」による柔軟性が繋がっているという。高校年代の日本一を決める高円宮杯U-18プレミアリーグファイナルでは内田のロングスローから先制点が生まれるなど、いまやチームの得点パターンのひとつだ。

また開幕戦で8−0と大勝発進を切った國學院久我山のMF大窟陽平(1FC川越水上公園)も注目したいひとり。技術の高さが売りで、中盤から出す中短のスルーパスでゴールを演出する。2回戦では専大北上と対戦。ここを勝ち上がれば3回戦で昌平と相見える可能性もある。

埼玉組を多く擁する前橋育英はまさかの1回戦敗退…

毎年埼玉組を多く擁する前橋育英は神村学園と対戦。今大会の主役候補のひとりと見られたU-17日本代表MF櫻井辰徳(東松山ペレーニアFC)を怪我で欠く中でDF相原大輝、DF関礼恩(ともにクマガヤSC)、MF山岸楓樹(大宮アルディージャU-15)がスタメン出場した。試合はスコアレスのまま後半を迎えた中で、前橋育英は20分過ぎに相原が相手の決定的なシュートをライン上でクリアするなど気合のこもったプレーを見せたが、最後はPK戦の末に敗れた。

「粘り強い市船」示す町田、ゴールが期待の森 尚志のダブルボランチはアレグレコンビ

Cブロック
エース染野唯月の欠場が発表されたものの、優勝候補のひとつであることは変わらない尚志のダブルボランチを組むのはCAアレグレコンビだ。攻撃を担う小池陸斗は展開力とテクニックに優れる左利きのゲームメイカー。今夏のインハイでは腰痛を抱えて先発は準決勝のみだった中で、1回戦で1ゴール、2回戦では後半アディショナルタイムに決勝弾を叩き込むなど得点面でも活躍し、優秀選手にも選ばれた。運動量抜群の相方・福田隼也がそれをサポートする。

名将・小嶺忠敏監督のいる長崎総科大付に渡った2年生MF藤田和也(グランデFC)は丸岡との1回戦にインサイドハーフとしてフル出場。チームは先制したものの逆転負けを喫した。

Dブロック
右山最有力の市立船橋を引っ張るのも埼玉プレーヤー。キャプテンのMF町田雄亮はクマガヤSC出身だ。今年は2度の大きな怪我を経験した中で原点回帰を図るチームの中心として「粘り強い市船」を体現。身長は165cmと小柄だが、『球際』『切り替え』『運動量』を生かしたボールを摘み取る能力には目を見張るものがある。先月の県決勝ではライバル・流通経済大柏を破り、3年ぶりにタイトルを奪還したチームを引っ張った。またその決勝で2得点を挙げ、勝利に導いた1FC川越水上公園出身のドリブラー、森英希は「全国制覇を狙っていきたい。個人としては得点を狙いながらもチームに貢献できるように頑張っていきたい」と意気込む。

矢板中央のボランチを務める靏見拳士朗(クラブ与野)は夏に靭帯を痛めた中で厳しいリハビリを乗り越えて復帰。1回戦の大分戦では靏見の積極的なシュートが先制点に繋がった。

石黒登(取材・文)

埼玉県プレイヤーリスト

青森山田 DF 2 内田陽介(2年) クマガヤSC
青森山田 DF 19 鈴木琉聖(3年) グランデFC
青森山田 DF 24 松本将吾(3年) 尾間木中
仙台育英 DF 4 大塚俊輝(1年) グランデFC
仙台育英 DF 24 安藤豪(2年) FCアーザス
仙台育英 MF 18 中森海人(2年) クラブ与野
仙台育英 MF 22 中村宥太郎(1年) グランデFC
仙台育英 FW 13 吉田健太(2年) クラブ与野
秋田商 FW 17 齋藤心護(1年) グランデFC(東京出身)
尚志 MF 7 小池陸斗(3年) CAアレグレ
尚志 MF 12 福田隼也(3年) CAアレグレ
矢板中央 MF 6 靏見拳四朗(3年) クラブ与野
矢板中央 MF 15 宮野流斗(3年) グランデFC
矢板中央 MF 29 永山大翔(3年) 大宮西カリオカFC
前橋育英 DF 4 相原大輝(3年) クマガヤSC
前橋育英 DF 13 関礼恩(3年) クマガヤSC
前橋育英 MF 8 山岸楓樹(3年) 大宮アルディージャU15
前橋育英 MF 14 櫻井辰徳(2年) 東松山ペレーニアSC
市立船橋 DF 27 木内拓海(2年) FC KASUKABE
市立船橋 MF 5 町田雄亮(3年) クマガヤSC
市立船橋 MF 8 森英希(3年) 1FC川越水上公園
市立船橋 MF 21 伊藤涼也(3年) クマガヤSC(群馬出身)
國學院久我山 DF 23 鈴木彪生(3年) 大宮アルディージャU15
國學院久我山 MF 8 大窟陽平(2年) 1FC川越水上公園
帝京長岡 MF 16 小林将司(3年) 土合中
帝京長岡 FW 15 石原波輝(2年) ACアスミ
帝京長岡 FW 19 葛岡孝大(2年) 戸塚西中
帝京長岡 FW 27 三ツ木陽人(3年) ACアスミ
静岡学園 MF 20 小泉龍之介(1年) EC JOGADOR
米子北 FW 26 鈴木慎之介(1年) 大宮アルディージャU15
長崎総科大附 DF 2 山田知太(2年) FC KASUKABE
長崎総科大附 MF 8 藤田和也(2年) グランデFC