昌平高校Jリーグ加入者合同記者会見 全文レポート第1弾

9日、昌平高校にて来季よりJ1鹿島アントラーズに入団が内定した須藤直輝、小川優介、J2アルビレックス新潟に加入する小見洋太、J3福島ユナイテッドFC入りを決めた柴圭汰の合同入団記者会見が行われた。第1弾となる今回は記者会見の全文をお届けします。

昌平高校・城川雅士校長

本日は本校の高校3年生4名がJリーグの舞台に飛び立っていく、その内定の記者会見ということで、これだけ多くの報道関係者の皆様方にお集まりいただきまして本当に感謝申し上げます。本校からJリーグの舞台に飛び立っていくのはこれで5年連続ということになりまして、本校のサッカー部も着実に力をつけて上の舞台に送り出すというような状況が続いています。特に今年はコロナウイルス禍の中で部活動だけではなく、学校の授業、行事等すべてがストップし、非常に厳しい2020年度のスタートでした。そんなみんなが目標を失ってしまいそうな環境の中、おそらくここにいる4人をはじめ、頑張っている生徒たちは自分を失わずに、しっかり自分の目標に向かってひとつひとつできることを歩み続けてきた、そういうような取り組みがこのような結果に結びついたのではないかと、そんなふうにも捉えています。心からこの4人にも私から経緯を表したいと思います。後ほど監督の方からこの4名のサッカー等についての様子などの説明はあるかと思います。私の方からは担任の方に普段の学校生活の様子、どんな生徒かというところで話を聞きましたので、少しだけ紹介させていただきます。

須藤くん、小見くんについては同じクラスで、担任からの声は2名とも「とにかく勉強をする」「いつも勉強しているイメージがある」と、そんなコメントをもらっています。

須藤くんについては、成績も常にクラス上位で、特に英語については試験等でも成績がどんどん上がり続けている状態で、担任の所見としては「やっぱり海外でプレーすることなんかをちょっと意識しているんじゃないかな」と、そんなコメントももらっています。

小見くんについてもこれも「とにかく猛烈に勉強しているという印象」だと。本校ではこのコロナウイルスでの休校時に授業の動画をオンラインで配信する、そういうようなシステムを使っているのですが、その小見くんの視聴時間というのが「260時間」を超えていて、学年全体でもトップ5に入ると。それくらい積極的に自分から勉強しているというような状況があるそうです。また日本代表でスペイン遠征に行っている時はクラスメイトに授業のノートをメールで送ってくれと、そんなリクエストもあったそうで、クラスのみんなもびっくりしていたと。それくらい勉強にも貪欲に取り組んでいたというようなお話がありました。

続いて小川くんについては「とにかくいつもおだやかで、明るくて、ニコニコしていて、とにかく友人が多い」と。サッカーの中ではよく司令塔というような呼ばれ方をしていますが、クラスの中では司令塔ではなく、どちらかというと指令される側だと(笑)、そんなコメントも担任の方からありました。ただ、勉強の方も現代文が得意で、とにかくみんなに愛されている、そういうキャラクターだというようなことでした。

そして最後に柴くんですが、柴くんについてはもう担任からは一言、「とにかくいいやつ」。社交性がある愛されキャラだということです。実は成績もクラスでもトップレベルで日本史の模擬試験の成績では学年上位者として張り出されたことがあるんですよね。それくらい本当に頑張り屋さんです。通学の方も毎日1時間をかけて自転車通学。ですが無遅刻、無欠席、無事故ということで、すごく一生懸命取り組んでいます。

というように簡単に4名を紹介させてもらいましたが、とにかくいまお話しましたように多くの周りの人から愛されている、そんな4名です。だからこそこの後、上のステージでも本当に周りがみんなで応援できるような生徒であると、自信を持って校長の方からも言えます。どうか皆様方も今後ともぜひ注目いただき、応援の方をしていただければなと、そういうように思います。

最後になりますが、杉戸町町長から電報の方をいただいておりますので、この場を借りて私の方から代読の方をさせていただきたいと思います。

お祝い
Jリーグ入団内定おめでとうございます。杉戸町から日本代表へ、そして世界へと羽ばたき、子供たちへ夢と希望を与え、誰からも愛される選手となることを大いに期待しております。
杉戸町長 古谷松雄

藤島崇之監督

本日はお忙しい中、またお足元の悪い中、足を運んでいただきまして誠にありがとうございます。この後4名がJリーグチームに入団内定ということで、このような場でお知らせ、また発表できることを大変嬉しく思っております。先ほど学校長からも話がありましたように、今年度で5年連続でのJリーガーの誕生ということになります。本校では高卒が9名、そして大学を卒業した1名がやっておりますので、全10名がJリーガーという形でいま頑張っている状態であります。

今年度は学校長からもお話がありました通り、新型コロナウイルス感染拡大の影響もありまして、本校では3月から休校措置をとっておりました。6月の中旬からまた学校が再開という形になっていますが、高校3年生にとって一番の悔しい想いは全国高校総体、インターハイがまずできなかったことかなというふうに思っています。もちろんいま関東プリンスリーグや埼玉県リーグは実際に大会の方は開催している状況なんですが、昇降格がないという状況もあり、ただどこのチームも本当にそんな状況の中で選手が一生懸命やる姿という部分に関しては我々も勇気をもらっている状況です。

この休校期間中に関してはチームキャプテンの須藤を中心に本当にこういう悔しい経験をする中においてもしっかりと切り替えて、「今度は全国高校サッカー選手権だ」と、「この夢のステージに行くんだ」という強い意志を持って、オンラインのトレーニングですとか、各個人のところで本当にそれぞれがレベルアップを図るということに時間を費やしてくれました。先ほど学校長から話のあった学習面においてもこの4名を中心に本当に一生懸命頑張っておりました。

この後全国高校サッカー選手権大会の埼玉県予選が10月24日から我々は始まります。もちろんこういった加入内定というのは喜ばしいことで、すごく本人たちも自信を持って臨める状況にはなってくると思いますが、なにぶん、この後はすごく注目をされる中で自分自身のプレーが発揮できるかという状況でしたり、また責任を持ってやらなればいけないという部分もあり、そういったところで自力が試されるのかなという状況もあります。ただ本当にこういった状況の中でもしっかりと自分自身を高めながら、チームの勝利のために戦ってくれると信じていますし、その中でまたチームとしても日本一という目標を掲げております。そういった部分を目指してこれからも頑張っていきたいと思っておりますので、その点もよろしくお願いいたします。

それでは私の方から今回入団が内定しました選手の紹介をさせていただきたいと思います。

まずは須藤直輝です。鹿島アントラーズの方に入団が内定しました。学校の様子は先ほど学校長から話がありましたので、私の方はサッカーのお話をさせていただきます。1年次から背番号10をつけて、1年目は高校総体で全国ベスト4。この時もかなり本人は悔しい想いをしたベスト4だったのかなというふうに思います。頂点が見えた中で負けることの方が悔しいということを味わうというのも非常に良い経験なんですけども、逆に言えば次に繋がる状況にもなるというところで悔しい経験をした中で良い経験ができた1年生。そして2年次、なかなか結果も出ない中で本人は副キャプテンという立場でチームの強化に携わっていました。そういった状況の中でキャプテンの方が試合に出場がなかった状況もあり、去年も全国高校サッカー選手権ではキャプテンマークを巻いて、チームの中でゲームキャプテンという形で出場していました。

本当に負けん気の強さと、その負けん気の強さの中にしっかりと意志を持った選手であります。もちろんプレーの特徴としてはドリブル。これは本人の強みでもあり、その強みの中にも絶対のこだわりを持っているのかなと。私も何回かドリブルに対しての話はしたことはあるんですけど、あまり聞いてくれないので(笑)。そこはそこでこだわりを持ってやるというのがすごく良いのかなと僕も思っています。

そんな中でこれからプロに行く状況で、じゃあ今度は何を求めていくかと言われたら、ドリブルから何ができるか、またそこに数字、点だったりアシストだったり、そういった部分も多分本人がいま一番自覚している状況だと思いますが、そういったところも求められるポジションをやることになると思います。本当にそういった状況の中で、先ほどもあったように海外でプレーしたいという夢もあるということで、これからの飛躍に期待できるかなというように思っております。

続きまして小川優介です。鹿島アントラーズの方に入団内定ということで、この部分でリリースさせていただいた際には多分誰もが驚いたかなということが正直なところだと思います。もちろん最初に私の方も強化部の椎本(邦一)さんからお話をいただいた際には本当に驚きました。そして何より一番驚いていたのは多分小川本人だと思います。その状況の時には一瞬フリーズして「本当に大丈夫ですか」というところもあり(笑)、そんな状況の中でいろいろと話をしていく中で意志を固めてJリーグクラブでチャレンジをしたいということになりました。

小川は見ての通り、それはこの4人に共通している部分なのですが、だいぶ身体は小さい、そして身体の線も細い選手です。ただもちろん技術的な部分の良さもありますし、彼にしかないイマジネーションといいますか、先ほど司令塔という話がありましたけれども、もちろんパスの配球であったり、ゲームの流れをこちらに引き寄せる状況作りであったり、本当にそういった部分に関しては日本でも、高校生年代では本当に良い部分が出てくる選手かなというふうに思っています。まだこれから課題はいっぱいあると思いますけども、その課題を克服して、鍛えてもらいながら、また羽ばたいてもらいたいというふうに思っています。

続きまして小見洋太です。アルビレックス新潟への入団内定という形になりました。今日はちょっと髪の毛を切るのを忘れたということで先ほど後悔していました(笑)。見た目はわりとストイックで、これは性格的にもそうなんですが、ストイックでサッカーのゲームの中ではガツガツ行くタイプなんですけども、普段はまったくそんなこともなく、わりと温厚というか、穏やかな性格というか、そういった形の中で本当にギャップがある選手です。

先ほどの小川もそうなんですが、中学校年代では我々が一緒にやっておりますFC LAVIDAというクラブチームに所属しており、私も2人とも6年間見てきていますけども、本当に常に日々成長している選手というイメージがあります。動き出しの上手さもありますし、その中でゴールに向かう感覚、そのゴールに向かう感覚の中でもゴールを結局は奪うというところに関してはまだ足りない部分は本人も自覚していますので、今後の伸びしろとして捉えていただきながら、ただいまの現状において常にプレーにおいても良さが発揮できる選手だというふうに思っています。また今後Jリーグという舞台ではスコアラー、ゴールを奪うというところがFWの役割というところで、いままでは流れであったり、引き出すという状況もあったと思いますけども、今度は得点ですので、そういったところに期待をしていただければというように思います。

最後に柴圭汰です。福島ユナイテッドFCへの入団内定という形になりました。柴ですが、もう本当に安定感があり、いつもパフォーマンスレベルが落ちないといいますか、これも性格的な部分もあると思いますけども、本当に一生懸命やっています。いまサッカーをやっている選手では、わりとやはりクラブチームで活動していた選手が多い中で中体連の出身です。ただ小学校の頃からお父さんの方が指導にあたっているということで話を聞いていますけども、本当にしっかりとしたベースを持った中で、しっかりと気持ちを作って高校に入ってきてくれました。

本当にそういった中で身体はこの中でも一番小さいですし、身体が小さい分、目立ちますけども、逆に言えばプレーでも目立つ選手でもあります。ボール奪取力、その中に技術的な高さも表現できるようになってきています。福島ユナイテッドには昨年度鎌田大夢の方がお世話になっていますけども、また2人で試合に出ている姿を見られるのも来年楽しみにしていきたいと思っています。本当にこれからまだまだ伸びしろがある選手だというように思っています。

本当にこの4人、先ほども話した通り、かなり身体が小さいということで、どのチームもわりと180cm台とか170cm後半という選手も多い中で平均でいったら多分165、6cmかなと思います。ほかより小さいという部分でそこをウィークポイントと捉えるか、逆に言えば彼らにしかできないプレーがあるというストロングで捉えるか。これは考え方の違いだと思いますけども、逆に我々はその中で良さを出せるということを考えながら、いま選手として起用しています。

そういった中で自分の良さを今後Jリーグの舞台で出してもらいながら、しっかりと活躍ができる、人間的な部分も含めていろいろな意味で愛されるキャラだと思いますので、愛される選手、応援される人間になってもらいたいというように思っております。本当にすごく厳しい世界に飛び込むということで、本人たちもいま喜びとともに不安は多少なりともあると思います。不安を払拭するのはこれからの自分の取り組みだということは重々伝えていますので、そういった部分で今後良い意味で叱咤激励いただきながら、また注目をしていただければ大変ありがたく思います。今後ともよろしくお願いいたします。

4選手の意気込みは?

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