昌平高校Jリーグ加入者合同記者会見 全文レポート第2弾 4選手の「プロ入り後の展望」「それぞれの想い」

9日、昌平高校にて来季よりJ1鹿島アントラーズに入団が内定した須藤直輝、小川優介、J2アルビレックス新潟に加入する小見洋太、J3福島ユナイテッドFC入りを決めた柴圭汰の合同入団記者会見が行われた。第2弾では会見が終わったばかりの4選手に「プロ入り後の展望」「それぞれの想い」など、より細かい話を訊いた。

―4選手に。それぞれの出身市町村。また今年はコロナで思うような練習ができなかった中でどうやって技術を磨いてきたか

須藤:僕は熊谷市出身で、いまも昌平高校には熊谷市から電車で通っています。コロナ期間ですり合わせができないというのは本当に辛い時期もありましたけど、その中で自分たちがいかに短所というか、自分ができないところに目を向けて練習に取り組めるかというのはすごい意識していたというか、みんなコロナ期間があったからこそ自分のウィークポイントを強くすることができたというプラスの面もあると思うのでそこは良いことだと思いますし、昌平高校のサッカー部としてもオンライントレーニングだったり、自分たちの選手権の動画だったりとかを監督から送ってもらったりして取り組んでいたので、そういうところが選手権に繋がったりしたら良かったと思えるんじゃないかなと思います。

小川:自分は久喜市出身で家から自転車で10分くらいの距離です。コロナ期間では選手権で出た課題、本当に悔しかった大会で出た課題について、コロナが明けた後にどれだけ成長しているかが鍵だなと思っていたので、その課題に向けて自分の中で筋力トレーニングをしたり、オンライントレーニングもあったので、そういった形で自分の成長のために時間を費やしました。

小見:僕はさいたま市出身です。コロナ期間には去年のリーグ戦や選手権の自分の出た試合を見返して、そこで出た課題とか、あとどのシュートシーンが多いかというのは自分なりに分析して、そのシュートシーンを想定したトレーニングとかをかなりやりこみました。それの成果で今年も結構点は取れているんですけど、まだまだ決定力が足りないので、これからももっとシュート練習を力を入れてやっていきたいと思っています。

柴:自分は伊奈町の出身で先ほどお話にありました通り、自転車で1時間はいかないんですけど、片道12キロを通学しています。このコロナ期間の過ごし方としては、中体連出身なので地元の同じサッカー部の人たちが近い距離にいるので、ほとんど毎日公園で集まってサッカーをしていて、その中で本当にサッカーの原点に戻れたというか、サッカーを楽しむという面ではいまもすごい楽しいんですけど、また違った本当に心から楽しむサッカーというのがこの期間ですごくできたので、コロナ明けで部活が再開した後にすごくサッカーをやりたいという気持ちが強く根付いたのでそこはすごい良い期間になったと思います。去年の選手権の青森山田戦で個人的にすごくフィジカルの差を痛感させられたので、このコロナの期間の3ヶ月間で杉戸にある接骨院で筋トレする場所があるんですけど、接骨院の先生に協力してもらってそこで身体作りを行っていました。

―4選手に。将来のプロサッカー選手としての夢とどういう選手になりたいか、目標の選手がいれば教えてください

須藤:僕は昔からロナウジーニョ選手が大好きで、いつもプレーを見たりして、いろいろな技を盗んだりしていました。なので自分はロナウジーニョ選手もバルセロナ時代にプレーしたスペインリーグでサッカーをすること、そしてそこから日本代表に選ばれるというのが自分の最終的なプロサッカー選手としての目標です。

小川:自分はよく動画を見るんですけど、海外の選手を見ることが多くて、特にイニエスタ選手やチアゴ・アルカンタラ選手の動画を見るんですけど、そういった人たちの相手の外し方とか、そういうのはいつも真似て盗んでいます。将来的には日本代表になって、僕は身体が小さいので、そういった選手たちの目標にしてもらえるような選手になりたいです。

小見:僕の将来の夢は日本一のストライカーになるということなんですけど、その日本一のストライカーというのはやっぱり日本代表で、FWで、スタメンとして出場するということなので、そこを目指してやっていきたいと思います。目標とする選手は海外ではアグエロ選手のプレーはよく見たりしています。アグエロ選手のようにチームを勝たせられる決定力や身体が小さくても世界で通用する姿を見習っていきたいと思います。日本でいうと川崎の家長(昭博)選手とか小林(悠)選手、あとは浦和レッズの興梠(慎三)選手とかのプレーを見ています。家長選手に関してはすごい身体が大きいわけでないんですけど、体感の強さだとか、腕の使い方というのをすごい参考にさせていただいていて、小林選手や興梠選手についてはFWとしての動き出しだったり、あとはキーパーと1対1になった時の間合いの作り方とか、そういうのを見て実践できるように日頃意識して練習しています。

柴:僕の目標としている選手は湘南ベルマーレの齊藤未月選手とフランス代表のエンゴロ・カンテ選手です。両者とも世界で見たらあまり身長が高くないですが、やっぱりプレーの大きさだったり、迫力というのは一番サッカーを見ていて惹かれる部分があると思うので、自分も将来ファンやサポーターの方々に愛される選手じゃないですけど、本当に小さくても大きく、たくましく戦っている姿を見せ、夢や目標を与えるような選手になりたいと思っています。また自分がプロサッカー選手として経験したことを、将来またセカンドキャリアでどういう仕事に就くかはまだ決まっておりませんが、うまく伝えられたら、還元できたらなと思っています。

―藤島監督と須藤選手に。今年で5年連続のJリーガー誕生。選手権やインターハイでも結果も出していて、毎年Jリーガーを輩出する昌平の環境は非常に注目をされてプロの評価も上がっていると思うが、どういうところが昌平の良さで、どういうところが評価されていると思うか

藤島:本当にすごく我々もありがたいことに、見ていただける機会というのは増えています。その中で我々が一番大切にしているのはトレーニングレベル、トレーニングの中でしっかりとした充実した活動ができるか。もちろんゲームになれば対戦相手によっていろいろな戦略があったり、戦術的な部分もありますけども、しっかりと自分たちの良さを出すためにトレーニングレベルで自分たちが一番高いレベルに行っているという部分も大切にしています。

またその中で他校との違いといったら変な話ですけども、実際学校、またチームによっては本当に身体で判断するといいますか、サイズ感である程度見切ってしまう状況もあると思いますけども、サイズではなくて要はプレーのレベルで何ができるか。強さ的な部分って結局は強そうに見えるかという状況で見がちだと思うんですけど、逆に例えば一番身体的な部分で言うと小川優介が細いという状況はありますけど、ディフェンスの面で言ってもガチッとボールを奪いに行くようなシーンではまだまだ課題はありますけども、予測と反応、判断のところでボールをインターセプトできたりとか、そういった良さもあります。逆に言えばそういったところで一点の見方ではなくていろいろな選手の可能性を引き出す状況と、その可能性を引き出す中に個の良さというのをより周りに理解してもらえるというか、プレーレベルでサッカー的な部分も表現しながらできるという部分は、ある意味自分たちの良さになっていくのかなというようにも思っています。

須藤:自分は監督が先ほど言った言葉も本当にそのままだと思うんですけど、選手たちから思うのはやっぱり選手間、先輩も後輩もそうですけど、あまり壁がないというのが昌平高校の強さなんじゃないかなと思っています。自分が1年生の時に、やっぱり高校サッカーに来るにあたって、高校サッカーというのは上下関係が厳しいというのがそれまで思っていたことだったんですけど、昌平高校に入って一番最初に思ったのは先輩方がとても優しく、いろいろなプレーに関して教えてくれるというのがあった。そういう伝統から自分たちもいま後輩が1年、2年生いますけど、上下関係をすごいがっつり作るわけではなくて、オフザピッチだったりオンザピッチでもいろいろなところを指摘し合えるというのが昌平高校の強さだと思っています。そうすることによっていま年々プロ選手が輩出されていますけど、そういうプロ選手から良いところを盗んで、また来年後輩たちがやってくれるので、そういったところが繋がっているんじゃないかなと思っています。

―4選手に。入団するチームの印象と入団の決め手、あとはいまの課題を教えてください

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