花咲徳栄がライバル・本庄第一を下し決勝へ。2年ぶりの関東切符も狙うは「優勝」の二文字のみ

女子選手権予選準決勝。花咲徳栄は2-0で本庄第一を下し、学総に続き決勝進出を果たした。

近年しのぎを削ってきた両校の大一番。まず最初に仕掛けたのは本庄第一だった。中盤のセカンド争いで優位に立つと、縦に速い攻撃から相手陣地でプレーするという意志を明確に打ち出す。前半2分にはMF眞島紗衣(2年)のクロスからエースFW比嘉萌々(3年)がシュート。こぼれ球をFW小野望愛(2年)が詰めてネットを揺らしたが、これはオフサイドの判定となった。

一方、花咲徳栄は今大会で初めて押し込まれる形に。「相手はうちのストロングポイントを消して、中盤のところで競りとセカンドボールのところをやらせなかったですし、しっかり長いボールを蹴って走り込んでチャンスを作ろうというところで本一の良い部分を出させてしまった」と末貴光監督。プレーの終わりがボランチや中央で終わっている分、相手に攻撃しやすい展開を作ってしまい、それによりディフェンスラインが上がれずに特徴である両外の攻撃を有効に生かすことが出来ず。中盤以降は花咲徳栄が攻め返す場面が増えたが、前半は0-0で終える。

それでも花咲徳栄は後半4分、DF三尾心々美(3年)のクロス性のシュートがネットに突き刺さり先制。後半はこれまでスタメン起用してきたMF下園舞桜(2年)をこの日は切り札として投入。身体の強さとスピードのある背番号9を入れたことにより、浮き球に対しても1対1で競り勝てる場面が増え、サイドにボールが出るように。また、ボールスキルのあるMF滝沢美結(3年)を左サイドからトップ下に配置転換したことにより、中央で時間を作れるようになった。

1点を追う本庄第一は後半30分、比嘉のミドルシュートがわずかにゴールポストの右に。その2分後には味方が中盤で弾いたボールをMF松野尾沙斗(2年)が判断良くループシュートで狙ったが、ここは花咲徳栄GK多田羅愛香(2年)がすんでのところで掻き出し難を逃れた。

花咲徳栄は後半アディショナルタイムに滝沢が左足のシュートをサイドネットに突き刺して勝負を決める2点目。終盤は相手のコーナーキック攻勢に遭ったが、しっかりと0で抑えきった。

ライバル・本庄第一との難局を制し、これで2年ぶりの関東大会出場を決めたが、この結果に満足している選手はひとりもいない。目指すは「優勝」の二文字のみ。滝沢は「まずは勝たないと意味がない。やっぱり優勝して関東というところに繋げていきたい」と決勝戦に向け強い意志を示した。昨年大会を最後に遠ざかっているタイトルを獲得し、埼玉県1位として関東に乗り込む。

石黒登(取材・文)

試合結果

本庄第一 0-2 花咲徳栄
0(前半)0
0(後半)2