エース封じのミッションを完遂した日進MF関根大地。「うまくやらせなかったと思います」/学総県大会準々決勝
県学校総合体育大会準々決勝(26日)。日進中は2-1で春日部中に競り勝ち、4強に進出した。
日進は前半20分過ぎに立て続けにセットプレーを獲得すると、DF水野太陽(3年)のコーナーキックからFW半澤一颯(3年)、DF堀太一(3年)が連続して競る。さらにこぼれ球をキーパーの手前でMF田中魁人(3年)が落とすと、最後は半澤が右足で流し込んで先制した。
さらに後半にはキックオフから電光石火の攻撃で追加点が生まれた。10番FW佐藤陽輝(3年)がいきなりドリブルで仕掛けると、内に切り込みながらそのまま右足でシュート。これはキーパーに弾かれたが、ルーズボールをきっちりとMF村山優夢(3年)が押し込んで2-0とした。
一方、2点を追う春日部もテクニックのある10番FW小泉歩夢(3年)、FW仲山陽(3年)をポイントに猛攻を仕掛ける。そして22分、カウンターからの縦パスにMF麻生羽琉(3年)が左足で決めて1点差としたが、反撃もここまで。2-1で逃げ切った日進が勝利を掴み取った。
多くの時間で攻められながらも粘り強い守備が光った。佐藤太是監督は「春日部の子の方が身体的にも高いものがある中でそこのところでうちはやっぱり堅実に、“チームのために”というのをモットーにやっているので、そこのところでハードワークが出来たかなと思います」と守備に一定の評価。後半押し込まれたところは課題となったが、ここに来て「本当に頑張れるようになった」(監督)というチームは球際の部分や攻守の切り替えも早く、簡単には崩れないという印象だ。
チーム立ち上げ時に掲げた関東大会出場がかかる準決勝は強敵・川口西中と対戦する。「大会を通じてチームとして伸びているというのはすごく我々にとって財産なところ。あとは川口西戦に向けてどうにかうまく最後のところを調整が出来たらなと。苦しい試合にはなると思うんですけど、チームとしてやれることというところで頑張らせたいなと思います」と意気込みを語った。
エース封じのミッションを完遂した日進MF関根大地。「うまくやらせなかったと思います」
そしてこの試合において重要な役割を果たしたのがMF関根大地(3年)だ。この日は相手のエース封じのミッションを任せられた中で、大きな仕事はさせず、しっかりと抑えきってみせた。
「やっぱり相手の11番(仲山陽)が良い選手だなと。(関根には)やっぱり信用を置いていて、すごく頑張っている子。去年の代でも出ていて、このチームでも中心選手としてやってくれている」と日進・佐藤太是監督は相手のキーマンのところに信頼を置く関根を当てることを選んだ。
そしてその任務を関根はしっかりと実行。「縦に速いと聞いていて、縦を切ろうと思っていて、それが出来た。そんなに危ない場面とかはなかったと思うので、うまくやらせなかったと思います」。また、チームコンセプトの守から攻への素早い切り替えも体現し攻撃の起点にもなった。
もともと小学校時代は「ドリブル系」の選手だったが、中学校で中盤をやり始めて「守り」についても意識するように。準決勝・川口西戦に向けては「いままでやってきたことをちゃんと生かして関東に行きたいと思います」。次も相手のエースをきっちりと抑え込み、そして勝利に導く。
石黒登(取材・文)
試合結果
日進 2-1 春日部
1(前半)0
1(後半)1