大会を通して大きな伸びを見せる新座第二。あの日掲げた「県大会優勝」の夢をいまこそ叶える時/学総県大会準決勝

県学校総合体育大会準決勝(29日)。新座第二中は4-0で白幡中を下し、決勝進出を決めた。

「この前の尾間木との試合も見させてもらって守備から入るチームだなと思った。カウンター対策をしっかりしながら前に押し込んで、サイドからというところは意識して子供たちに落とし込んでいた」と新座第二・髙橋立監督。序盤から果敢にプレスをかけてボールを奪いゴールに迫ると、ポイントのひとつだった「ウイングで勝負する」というところからゴールが生まれる。

前半7分、左WGの新田陽大(3年)の仕掛けからコーナーキックを獲得すると、FW眞下礼(3年)の正確なキックをMF覚田飛羽(3年)がニアでヘディングですらし、これがディフェンスのオウンゴールを誘い先制した。さらに10分には今度は右WGの眞下が前線から積極的に追うことでキーパーのミスを誘発。最後は左足で無人のゴールに流し込んでリードを広げた。

後半は外を使いながらも、サイドバックが食いついてきたところで中央のスペースにランニングするなど効果的に攻撃を展開。7分には途中出場のMF阿部龍大(2年)のクロスを新田が合わせて3-0。さらに11分にはDF伊藤大翔(3年)のパスに抜け出した技巧派MFの美島薫(3年)が、キーパーの飛び出しを冷静に見極めて左足のループで決めてダメ押しの4点目とした。

なんとか1点を返したい白幡は後半19分、MF勇隼人(3年)のラストパスからFW髙橋修土(3年)が狙ったが、新座第二の守護神・佐藤晴翔(3年)が至近距離からのシュートをファインセーブ。そしてそのまま4-0で勝利した新座第二が決勝進出&関東大会出場切符を掴んだ。

初戦はフィニッシュに課題を残したが、2戦目以降は4試合で15得点と決定力の部分も克服。「具体的な得点パターンだとか、こういう時にここに最後フィニッシュに入っていくというところの練習だったり、ミーティングを重ねて、話していく中で子供たちも最後ゴールに向かう姿勢が高まった」(監督)。また「最後に佐藤晴翔がいるというところの安心感はある」と最終ラインに絶対的な安心感をもたらせる守護神のいるディフェンスラインもここまで2失点と好調だ。

準々決勝では新人戦覇者の埼玉栄中を新田と美島のゴールで撃破(2-1○)。「個々の能力がすごく高かったので、相手の特徴を抑えながら、自由にやらせないようにしながら試合を運んでいったんですけど、最後は自分たちの方が走れるという自信もあった。逆に1位だからこそ、100%を出せるというので、油断なく出来たのが前回の試合だったかなと思います」と王者を下した試合を振り返る。一戦一戦成長の見えるチームに指揮官も「本当に頼もしい」と笑顔で語った。

悲願の学総初制覇へー。「1年前、代交代のミーティングをやった時に子供たちが自分たちで掲げた目標が県大会優勝だった。そこに対してはまだ何も成し遂げていないので、本当に次はどちらになっても強敵ですけど、もう必死で頑張らせて、勝てれば一番良いと思います」と髙橋監督。決勝の相手は川口西中に決まった。個の能力の高い強敵だが、大会を通した“伸び度”という意味では新座第二も決して負けていない。1年前に掲げた県大会優勝の夢をいまこそ叶える時だ。

石黒登(取材・文)

試合結果

新座第二 4-0 白幡
2(前半)0
2(後半)0