躍進支える川口南の“キーマン”、FW井上裕斗が2戦連続の決勝弾!「自分の裏抜けはどのチームにも通用する」と大一番・埼玉栄戦に意気込み/学総県大会2回戦
県学校総合大会2回戦(24日)。川口南中と富士見勝瀬中の一戦は2-1で川口南が勝利した。
前半から前線からのプレスや球際の強さを見せた川口南は前半21分、MF坂田陸(3年)のパスに抜け出したエースFW井上裕斗(3年)が決めて先制。さらにその5分後にはスローインからの流れからアーリークロスが入るとエリア左で受けた井上が深く切り返し、右足で突き刺した。
2点を追う富士見勝瀬は後半に猛攻を仕掛けると25分、10番MF伊藤澪矢(3年)の逆サイドへの展開から最後はMF安藤志摩(3年)が倒れ込みながらもキーパーの股を抜いて決めて1点を返したが、反撃もここまで。前半のリードを守り切った川口南が県ベスト16進出を決めた。
菅野航平監督は「本当に子供たちが走りきったというところと、力強く最後まで声を切らさず、相手よりも上回ってゲームが出来たので、後半も押されてはいた中でも負けないという強い自信というのはベンチから見ていても感じた」と、選手たちを頼もしく見守ったことを明かした。
これで県の16強に進出した川口南だが、学総の県大会は実はこれが初出場。新人戦の県でも勝ったことがないようなチームだったが、今年4月に県大会常連チームである戸塚西中から菅野監督が赴任すると、同監督は「県大会とか関東大会を狙うというところでの球際の強さというのはこの3ヶ月弱、ここだけはこだわってやってきた」とチームに球際の意識を植え付け。井上も「菅野先生がやってきて、やっぱり球際を強く意識させられて、そこで強くやれたので、みんなうまくなって、自分もうまくなれました」とチームとしても、個人としても変われたと語る。
ベスト8を懸けた3回戦では新人戦覇者の埼玉栄中と対戦。菅野監督は「うちがやってきたことをしっかり出しつつ、相手の良いところをしっかりと消せるようなサッカーが出来ればなと思います」。2戦連続ゴール中で、キーマンを担う10番井上は「やっぱり下馬評ではあっちが勝つと思われていると思うんですけど、それを覆していきたい」とジャイアントキリングに意欲を燃やした。
躍進支える川口南の“キーマン”、FW井上裕斗が2戦連続の決勝弾!「自分の裏抜けはどのチームにも通用する」と大一番・埼玉栄戦に意気込み
チームの躍進を支えるのがエースの存在だ。FW井上裕斗は1回戦の鶴ヶ島藤中戦での決勝ゴールに続く、2試合連続ゴールからの2発。「みんなが後ろで粘ってくれて、自分は決めるだけなので、その仕事を出来て良かったです」という井上を指揮官も「うちのキーマン」と認める。
1点目は持ち味の裏抜けを生かした形。「坂田陸くんのボールを決めるのが僕の使命。坂田くんからは市大会からたくさん(パスを)もらっているので愛情を感じます(笑)」という盟友・坂田陸からのパスに抜け出してゴール。するとその5分後に決めた追加点は圧巻の一発だった。
MF柴山留緯(3年)のクロスをエリア内で受けると、落ち着き払った身のこなしから深い切り返しでディフェンスを外し右足でズドン。この日の朝はFWレヴァンドフスキのプレー集を見てイメージを持ってきたという中で、本家のような豪快な一発でチームを勝利に導いてみせた。
好きな選手に挙げるFW興梠慎三のように常に相手の背後を狙い、裏に抜けるプレーがストロングポイント。埼玉栄中との大一番に向けては「どのチームにも自分の裏への走りが通用すると思っているので、そこの自信を持って戦いたい」と、得意の裏抜けから3戦連続ゴールを狙う。
石黒登(取材・文)
試合結果
川口南 2-1 富士見勝瀬
2(前半)0
0(後半)1