令和元年度学校総合体育大会中学校サッカーの部1回戦 さいたま岸 vs 春日部葛飾

令和元年度学校総合体育大会中学校サッカーの部・1回戦。狭山赤坂の森グラウンド第2試合はPK戦の末にさいたま岸中学校が春日部葛飾中学校を4ー3で下して、2回戦進出を決めた。

早々に試合を動かしたのは春日部葛飾。守備陣の裏を取ったFW安倍颯汰が決めて先制した。その後も安倍のスピードやボールを持てるMF小林音爽を中心にゲームを展開。前半15分の安倍のシュートはキーパーの攻守に阻まれたが、立ち上がりは水色のユニフォームが押し込む。

一方、序盤は相手のキーマンを捕まえ切れなかったさいたま岸も中で声を掛け合いながらカバーリングの部分などを修正。給水開けあたりからは1対1で引っ掛ける場面などを増やしていくが、攻撃の部分ではパスのズレなどからなかなかシュートまで持っていくことができない。

それでもさいたま岸は後半3分、自陣でボールを奪ったMF高木大地がそのまま自らハーフウェイライン付近までドリブルで前進すると、キーパーが前がかりになっているのを見るや意表をつく超ロングシュート。するとシュートはキーパーの頭上を越えてゴールに吸い込まれた。

終盤春日部葛飾は安倍が2度の決定的なシーンを迎えたが、シュートはいずれもポストに嫌われて勝ち越しゴールとはならなかった。試合は規定により、そのままPK戦に突入(準決勝以降は10分間(5分ハーフ)の延長戦を行い、決しない場合はPK方式で雌雄を決する)。互いに1本ずつ止めるなど盛り上がりを見せた中で4ー3と振り切ったさいたま岸が熱戦を制した。

高木大地が意表つくロングシュートで同点弾 PK戦ではGK相馬広也が1本ストップ

10番高木大地の意表をつく一発がバラバラになりかけていたチームに落ち着きを取り戻した。

後半3分、自陣でボールを回収した高木はそのままハーフウェイライン付近まで運ぶと「キーパーが出ていたので狙ってみよう」と右足を一閃。シュートは綺麗な弧を描きながら後ろに下がりながら対応するキーパーの頭上を越えてネットに突き刺さった。前半はなかなか思うような攻撃ができない中でこのゴールがチームにいま一度まとまりをもたらしたのは間違いない。

また、PK戦では「僕たちのキーパーは小学校の時からPKをすごく止めるキーパーなので安心して蹴れました」(高木)と仲間からの信頼も厚い相馬広也が大仕事。「PK戦になったら絶対に1本は止める自信がある」という守護神は相手の2本目をストップして有言実行。仲間たちに安心感を与えるとともに先手を取って相手にプレッシャーをかけ、勝利を手繰り寄せた。

石黒登(取材・文)

司会結果

さいたま岸 1(4PK3)1 春日部葛飾