埼玉栄は新人戦以降こだわってきた“サイド”が決勝点。MF北畠有仁は自覚強め「苦しい時でも自分が走って打開する」/学総県大会2回戦

県学校総合体育大会2回戦(24日)。新人戦覇者の埼玉栄中は1-0で熊谷富士見中を下した。

埼玉栄は前半7分、FW加藤佳大(3年)のスルーパスからMF北畠有仁(3年)が決めて先制。その後も10番MF金井裕世(3年)が起点となり、スピードのある加藤や昨冬の新人戦以降本格的にトップの位置を務めるようになったMF櫻井悠琉(2年)がフィニッシュに絡んでいく。

熊谷富士見はなかなか攻撃に出ることが出来なかったが、後半に入りMF藤ヶ谷惺吾(1年)が加わると前線が活性化。連係プレーからMF塚田絢介(2年)がゴールに迫る。それでも埼玉栄はGK豊島遼大(2年)が好守を見せるなど得点を許さず。1-0で勝利し3回戦進出を決めた。

埼玉栄は新人戦以降こだわってきた“サイド”が決勝点。MF北畠有仁は自覚強め「苦しい時でも自分が走って打開する」

埼玉栄はこれが初戦。特有の固さもあり、追加点を奪うことは出来ず。後半は苦しい場面もあったが、今年狙いを持ってやってきたサイドの部分でMF北畠有仁が決めたことはプラス材料だ。

右SHでスタメンした北畠は前半7分、「練習でセンターバックとサイドバックの間に立つというのをずっとやっていた。良いポジションにつけて、11番の加藤佳大から良いボールが来たので決めるしかないと思いました」。スルーパスに走り込みながらギャップでうまく受けると、そのままきっちりとゴールネットに運び、貴重な先制点。そしてこれがこの日の決勝点となった。

“サイド”は新人戦以降、チームとしてこだわってやってきた部分。昨年はMF金井裕世やFW加藤佳大らが絡んだ中央の崩しで結果を残したが、目標とする全中や高校年代での飛躍に向けサイドに着手。まだクロスの質などには課題もあるが、滝井友和監督も「いままでよりはサイドに散らしたり、後ろで広くボールを動かしたりという時間はあった」と少しずつ形になりつつある。

北畠も「10番(金井)、11番(加藤)任せみたいなところがあって、仕掛ける回数が少なかった」と反省。「縦突破して、苦しい時でも自分が走って打開する」と中央が締められた時は自分、と自覚も強める。新人戦の頃は走ってジャブを与えるのが自分の役割と話していたが、戦術理解も高まり出来ることも増えたという。一方「足下とシュートを高めていきたい」と課題も挙げた。

サイドを意識してやってきたことで「チームにもっと一体感が出て、もっとチームで戦えているという感じが自分としてはしています」と北畠。新人戦とのダブルを目指す今大会に向けては「県でもう一度チャンピオンになって、関東も決めて全中に行く」と力強く意気込みを語った。

石黒登(取材・文)

試合結果

埼玉栄 1-0 熊谷富士見
1(前半)0
0(後半)0