篠田翼、井出のゴールで白星発進の昌平。個の推進力や守備の組織化などでアップグレード狙う/プリンスリーグ関東
プリンスリーグ関東第2節(10、11日/昌平高校会場ほか)。開幕節が延期となったため、今節が今シーズン初戦となった昌平は東京ヴェルディユースに2-0と勝利し、白星発進を切った。
昌平は先日U-17日本代表候補に選ばれたMF荒井悠汰、俊足SB本間温士がベンチスタート。MF佐藤海空斗は怪我でベンチを外れた。一方で昨年FC LAVIDAで高円宮杯全国8強入りしたU-15日本代表候補FW小田晄平、DF石川穂高の1年生2人が早速スタメン入りした。
序盤から昌平は連動した守備が光った。前線の4枚が積極的にプレスをかけていき、限定した相手のパスをカットして連続して前へ。攻撃ではトップ下に入ったMF米陀大洋を中心にボールを動かして押し込んだ。また昨年も予測の良さで守備でもクオリティーを見せていたMF平原隆暉とMF井野文太のLAVIDA同級生ボランチが的確にカウンターの芽を摘んで攻撃に繋げた。
すると前半37分に先制点。新チームで左SBにコンバートされた篠田大輝が持ち味の推進力を発揮しエリアに切り込みクロス。これを弟のMF篠田翼がダイレクトで決めて試合を動かした。
後半途中からは新10番を背負う荒井がピッチに立ったが、復帰明けということもありコンディションもなかなか上がりきらず無念の途中交代。チームも後半は篠田翼のポスト直撃のシュートなどがあったものの、前半のハイプレスによるガス切れから押し込まれるシーンもあった。
それでも昌平はGK西村遥己らを中心にここを耐えると、後半アディショナルタイムに追加点。直前に投入された本間が右サイドを圧倒的なスピードで駆け上がり、深く切り返してクロスを上げると、こちらも途中出場のFW井出蓮がヘディングで沈めて2-0とし、勝負を決めた。
MF須藤直輝、MF小川優介(ともに鹿島アントラーズ)、FW小見洋太(アルビレックス新潟)、MF柴圭汰(福島ユナイテッドFC)と4人のJリーガーを輩出した昨年から大きくメンバーも変わった中で「今年もゲームコントロールをできる状況は作りたい。ただその中にゴールを奪いに行くパワーや推進力はもっと出していきたいと思いますし、それを出せる選手はいると思っている」と藤島崇之監督。昨年はチームで崩しに行くという状況が多かったが、荒井や篠田翼、東京V戦はベンチ外だった佐藤海空斗など、個でタメを作れるタレントがいるのが今年の違い。
またディフェンスの組織化にもフォーカス。昨年の代は攻守の切り替えの速さなど自分たちの強みの中で勝負してきたが、今年は「ディフェンスの組織化から攻撃のクオリティーをまた上げるとか、入り方は相手によって変えていくというスタンスはある」と藤島監督。この日の相手のビルドアップの良さを消すハイプレスもそのうちのひとつ。後半失速したのは課題として残ったが、この時期のチャレンジはプラスだ。様々なアップグレードを積み重ねながら昌平は2年連続で敗れている選手権ベスト8の壁の突破、そしてプレミアリーグ昇格に挑戦する。
石黒登(取材・文)
試合結果
昌平 2-0 東京ヴェルディユース
1(前半)0
1(後半)0