中盤で圧倒したレジスタが2年連続V。互いに高め合いながら6年ぶりの日本一目指す1年に

準決勝、決勝で12得点、1失点。レジスタFC・中城勉監督は「今日はたまたま自分たちがやりたいことがうまくはまっただけ。次は真逆のスコアになる可能性もある」と話していたが、その中でも勝利への可能性を限りなく引き上げたのは選手たちの頑張りだったことは間違いない。

準決勝では江南南、そして決勝では新座片山と強豪少年団との対戦となった中で「相手の特徴やチームスタイルも伝えつつ、その中で自分たちがどういうことができるのかということを1週間の中でやってきた。自分たちのストロングポイントはやっぱり前からしっかりとボールを奪いに行くこと。そういうところの良さが出たのかなと思っています」と指揮官が語ったように中盤の高い位置でプレスをかけてボールを回収し、そこから連続した攻撃へ。またプレスにしてもただ闇雲に行くわけではなく、ファーストが交わされたとしてもすぐに2枚目、3枚目がカバーに入るなど組織的な守備を展開。そしてボールを持てば落ち着いて回し、ペースを握った。

試合は前半2分に10番の藤澤開次が先制すると、4分には左クロスにキャプテンの五十嵐陵がニアでヘディングを合わせて追加点。11分には藤澤のクロスのこぼれを山﨑宏太が決めて突き放す。さらに12分、19分と山﨑佑太が連続して突き刺して前半だけで5点のリードを奪った。

後半は強烈な向かい風の中での展開となった中で8分に一瞬の隙を突かれ新座片山の井澤煌太に1点を返されたが、その後も落ち着いてゲームを進めると12分に岩堀匠隼の思い切りの良いシュートが得点を生むなど、終わってみれば6-1と大勝で2年連続8度目の栄冠を掴んだ。

新6年生は全員で42名と大規模。その中でチームには良い競争意識があり、常に「俺がやるんだ」「自分が主役だ」というある意味で人任せにしない姿勢がレベルアップの環境を生んでいる。今大会では準決勝、決勝で3ゴールを挙げMVPに輝いた藤澤や山﨑佑太、宏太の双子の兄弟、攻守のキーマンとなっていた児玉遼平などが特に目に入る動きをしていたが、これに刺激を受け、2ヶ月後、3ヶ月後にはまた新たなタレントが登場しているかもしれない楽しみがある。

出場権を獲得したチビリンカップ関東に向けても高い意気込みを示しつつ、見据えるのはやはり6年ぶりとなる日本一への挑戦。この日見せたチームとしての守備もひとつの全国目線だ。「チームとしてはうちが日本一になってからもう6年経っていて、その間全国に出ていないんですけど、今年なんとかもう一回再び全国大会の舞台に立てるように、また選手みんなと頑張っていきたい。今日の優勝で終わらないように、またどんどんどんどんみんなで切磋琢磨していきたいなというふうに思っています」。久しぶりの全国切符、そして埼玉勢としても6年ぶりとなる日本一奪還を目指してー。レジスタは仲間たちとともに互いに高め合いながら突き進む。

石黒登(取材・文)

試合結果

新座片山FC少年団 1-6 レジスタFC[A]
0(前半)5
1(後半)1