第49回埼玉県サッカー少年団中央大会 決勝 越谷サンシン vs 新座片山FC

第49回埼玉県サッカー少年団中央大会・決勝が7日に行われ、新座片山フットボールクラブ少年団が3-0で越谷サンシンサッカースポーツ少年団を下し、3年ぶり11度目の優勝を飾った。

「片山らしい」運動量とプレスで相手を圧倒。強い気持ちで掴んだ今年度最後のタイトル

「相手よりもたくさん走って、プレスを掛けながらというサッカーは頑張れたのかなと思います」と新座片山・鈴木慎一監督。決勝も同チームらしい運動量とプレッシングで相手を圧倒した。

立ち上がりから果敢にプレスをかけてリズムを掴むと前半6分、右サイドのスローインからの展開からこぼれ球を松岡祐葵が強烈な右足ダイレクトボレーで突き刺して先制。さらにハーフタイム前の18分には登録メンバーでは唯一の5年生である大西昊汰が決めてリードを広げた。

迎えた後半も走力は衰えることはなく、2分には神崎雄太郎がゴールエリア右から右足を思い切り振り抜いて3点目。終盤は攻め込まれる場面もあったが、守護神・姫澤明空が168cmの長身を生かしたセービングでゴールは許さず。3-0で勝利し、小学校年代最後のタイトルを掴んだ。

今年度は「全日本U-12選手権予選」で優勝した江南南に対し前半ペースを握りながらも準V、「4種リーグ選手権」ではベスト16で大宮アルディージャに敗れた中で「この大会は絶対に取るぞという想いがあった。しっかり檄も入れてきました」とキャプテンの姫澤。そういった中で全員で掴み取った今年度最後にして最初のタイトル。「悔しいところもありましたけど、最後は練習してきた成果が出たと思います。仲間たちにはいままでありがとうと伝えたいですね」。

全国の夢は中学、高校年代でー。それぞれがここで得た自信と課題を胸に次のステージに旅立つ。

 

松岡、大西、神崎。3トップが揃い踏み! 松岡は準決勝に続く連弾「みんなを勢いづける先制弾だったのでとても良かった」

またこの試合では3トップが揃い踏み。前半6分にセンターFWの松岡が決めて口火を切ると、左シャドーの大西が加点。後半早々には右シャドーの神崎が斜め45度の角度から突き刺した。鈴木監督は「なかなかFWがしっかり点を決めきれないとか、大会を通じてセットプレーでの得点というのが結構あった中で、今日は試合の流れの中で一人ずつ取ってくれた」と評価した。

松岡は準決勝に続くゴールとエースの役割。「先制点はこぼれ球が来ると予想していて、とりあえず決めました。(ボレーは)得意ではないけど、抑える意識で打ちました。(あの瞬間は)とても嬉しかったし、あのシュートで優勝にも一歩近づいたのかなと思います。みんなを勢いづける先制点だったので、とても良かった」と快勝に繋がることになった先制弾を振り返った。

今大会は6ゴールを量産。2回戦では全日本予選で敗れた江南南と対戦し、5-1で勝利。松岡自身もあの日は取ることができなかった2ゴールを記録するなど、借りを返した格好となった。

それでも指揮官が「彼に対しては背負ってのポストプレーだったり、前を向いてのドリブルだったり、もうちょっとできるかなというのはある」とやや厳しめの言葉を贈るのはそれだけの期待があるからこそ。中学校年代は東京のSTFCへ。「パスがあまりうまくないのでパス精度をしっかりと極めて、シュートを確実に入れられるようにしたいです。中学校でも片山でやってきたことを忘れずに、みんなを引っ張っていけるような選手になりたいです」と意気込みを語った。

また唯一の5年生として出場した大西も得点だけでなく、ロングスローなどでも存在感。大きな経験値を持ち帰り、自らの代で先輩たちの果たせなかった5年ぶりとなる全国大会を目指す。

石黒登(取材・文)

試合結果

越谷サンシン 0-3 新座片山FC
0(前半)2
0(後半)1