高校総体サッカー埼玉県南部予選 浦和北 vs 岩槻
7日(日)は県内各地で総体予選のブロック決勝が開催された。浦和北高校グラウンドでも南部支部の2試合が行われ、Aブロック決勝は浦和北高校と岩槻高校が対戦。1ー1で迎えた後半13分にMF多田大輝が決めたゴールが決勝点となり、岩槻が県大会出場を決めた。
両チームは1月の新人戦支部予選でも対戦。その際は浦和北が3ー0で勝利したが、今回はその借りを返すべく「みんな気合が入っていた」(多田)という岩槻がリベンジを果たした。
「浦和北は長いボールを使ってくるチーム。セカンドボールを拾いながらサイドからの展開を狙っていた」と岩槻・冨田展弘監督。序盤から浦和北の猛攻を受けるが、これを凌ぎきると狙い通りのサイド攻撃から前半のファーストチャンスを得点に結びつけた。
前半11分、MF髙橋洸人の右からのクロスに1トップのFW利根川大晟がニアサイドで反応。「いつもニアに入るように言われている。あそこに詰められたのが大きい」(利根川)。一度は相手と交錯しながらも気持ちで押し込んでチームに貴重な先制点をもたらす。
一方、追う立場となった浦和北はこのプレーでGK伊藤大将が負傷退場。難しいゲームとなることが予想されたが、直後の前半13分に左サイドのカウンターからポストに当たったこぼれ球をMF上杉京市が流し込んですぐさま同点に。その後も中盤での主導権争いでリードした浦和北が前半だけで15本のシュートを放つなど、押し込む形でハーフタイムを迎えた。
終盤は守勢に回ることが多かった岩槻だが、それでも「セカンドボールの部分について修正を加えた」(冨田監督)という後半は序盤から勢いを持って前に出ていく。
そんな中、決勝点は後半13分だった。先制点アシストの髙橋が右サイドを突破すると中央へクロス。このボールに左サイドハーフの多田が飛び込む。ディフェンスと競り合いながらのプレーとなったが、「最後はみんなの(声援の)力で押し切った」と身体で押し込んだ。
再び追う展開となった浦和北は直後にFW金谷大雅が抜け出すが、これは岩槻GK井上輝が足を伸ばしてセーブ。後半27分にはMF杉村日太のヘディングがわずかにクロスバーの上に外れる。その2分後にはエリア付近のスローインから、FW高橋優輝がヒールで落としたところを途中出場のMF小林佳祐が狙っていくも守備陣に弾かれてゴールならず。
この日ゲームキャプテンを務めたDF阿部亮太を中心としたディフェンスで最後までしっかりと守り抜いた岩槻が、久しぶりに県大会行きの切符を手繰り寄せた。
「新人戦は後半にカウンターから失点、ここ2ヶ月はカウンターをどう防ぐかというところに焦点を絞ってトレーニングを積んできた。今日は失点シーン以外ではカウンターではやられなかったのでいい効果が出ているのでは」と就任3年目の冨田監督。今年のチームは「戦える身体」と「最後まで走りきれる走力」が強みだという。
現メンバーでは初の県大会出場となるが、選手たちに臆するところはない。「負けるつもりで県大会にいくわけではない。岩高のことをまだ他の高校は知らないと思うので、下克上ではないがひとつでも多く勝てるようにしていきたい」と阿部ゲームキャプテン。
初の県の舞台で台風の目となることはできるか。
石黒登(取材・文)
試合結果
浦和北 1-2 岩槻
1(前半)1
0(後半)1