今年から未経験のCBに挑戦中の唐木晃。まだ「未完成」も随所に可能性を感じさせるプレー


昌平の唐木晃は今冬からCBに挑戦中。「まだ正直全然。まだまだ足りないことがいっぱいあって未完成」と話したが、相方の生島翼とのコンビで2回戦以降はしっかりと無失点で抑えた。

大宮Jrユース出身で須藤直輝と同期の唐木は、昨季までCFを務めていた中で180cmの長身などを買われて選手権を前にコンバート。「試合に出たかったのでそこに抵抗はなかったです」。

ディフェンスはこれが初挑戦。転向してまだ2ヶ月足らずということもあり、今大会は「初戦の1失点目が自分のミスからだった。まだ自分はボランチとかのコーチングができない。球際が弱いところだったり、あとはミスが多い」と反省していたが、西武台との決勝で相手FWの仕掛けにグイッと身体を入れて取り切った場面などは今後の可能性を感じさせるプレーだった。

「FWでも結構フィジカル系でやっていたのでそこは自信を持ってやっています」という身体の強さに加えて、武南戦では決勝点となったPKを決めた直後に喜びを爆発させて「熱男」ぶりを見せるなど、いろいろな意味で“昌平らしくない”選手だ。今後は武器のロングフィードでFW時代のライバルだった小見洋太とホットラインを築いていくのも楽しみなところ。長身を生かしたセットプレーも迫力がある。コーチングやディフェンスらしい動きがついてくれば面白い。

「熱いプレーが好き」と語るスペイン代表セルヒオ・ラモスのプレーを参考にしているという唐木は「去年はナオくん(柳澤直成)やテルくん(西澤寧晟)が中心となって失点が少なかったので、去年のディフェンス陣を超えられるようなDFになっていきたい」と意気込みを語った。

石黒登(取材・文)